Vol.884 17年11月18日 週刊あんばい一本勝負 No.876


北砂・健診・山再デビュー

11月11日 夜来はげしい風で不気味。風の強い夜は気持ちがドンドン下り坂に向かう。今日から仙台、東京二泊三日。土曜の夜は東京の宿がとれないので仙台泊になった。90年前後のバブル終末期も同じように東京のホテルはほとんどとれなかった。今はインバウンドの中国などの東南アジアからの外国人の激増が原因のようだが、そろそろ真剣に「民泊」の可能性も検討しなければ。

11月12日 仙台は頻繁に行っているのに「なじみの店」もなければ「行きつけの店」もない。せいぜいアウトドア用品のモンベルに立ち寄るぐらいだが、昔よく行っていた文化横丁「なつかし屋」にこのところチョコチョコ呑みに行く。今日はおかみさんもいて隣に座ってペチャクチャおしゃべり。ホテルでの無聊をかこつことなく仙台の一夜を楽しく過ごすことができた。

11月13日 東京江東区の北砂へ。東京駅からメトロ丸の内線で大手町へ。東西線に乗り換えて南砂駅で降り、タクシーで行く。用向きは東成瀬村の「首都圏なるせ会」の年に一度の総会を取材するため。200名以上が出席するので大きな文化センターを選んだのだろうか、と思っていたらそうではなかった。村の出身者たちが宴会の料理をすべて自前で調理する。納豆汁や山菜料理、あずきでっちやどぶろく……全部自前。それが決まりなので普通の宴会場では調理場を貸してもらえないのだそうだ。民謡ショーやカラオケ大会で会は大盛り上がり。

11月14日 暗くて陰鬱で寒さを伴った雨が続く。本当に気が滅入るが、これが雪国に生きる宿命だ。机の横に置いてある『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)が「読んで読んで」と訴えかけてくる。著者は順天堂大学医学部の自律神経の教授。権威主義者ではないが、このあたりの経歴を信じて読み始めてみようか。いや待てよ。最初にSシェフに「試し読み」させて「これは大丈夫」というお墨付きをもらってから読むと時間の無駄は防げるかも。

11月15日 今日は健康診断。いつものことながら褒められたのは骨密度と血圧のみ。130の79だったが、3回測って最も低いものを採用してもらった。午前中に一通り済んだが事務所に帰ったら誰もいない。そうか今日は狩猟解禁日だった。大滝山のクマ狩りに新入社員は同行取材。クマを撮り続けている写真家Kさんと一緒なので心配はいらないだろうが、この山では去年いきなり九頭ものクマが捕殺された。気を引き締めて取材してほしいものだ。

11月16日 相変わらずの暗い雨。にもかかわらず今日は2カ月ぶりの「山行」で仕事は休み。県南の金峰山に登り、帰りに佐々木農園での「リンゴ狩り」。山は待ってくれるがリンゴ狩りは時期がある。この天気。まあ自分の再デビューにはピッタリの晴れ舞台と言っておこうか。今日は一日ちゃんと遊んできます。

11月17日 先日の健診で「視力が落ちてます」と指摘された。そういえば、ここ半年ほどずっと目の疲れが尋常ではない。テレビを観ているとボーっとかすむし、目やにも出る。加齢によるものと思っていたがそうではなかった。1年ほど前に替えたメガネのせいだ。ちょっとファッショナブルなメガネを、窮屈さを我慢して、かけ続けた結果だ。合わないメガネで疲労が蓄積、視力にまで影響を与えていた。早速メガネを替え、昔のものに戻したらストンと楽になった。早く気づいてよかった。目に圧迫感があっても使い続けた自分の「エエカッコシイ」が恥ずかしい。 
(あ)

No.876

未来を変えた島の学校
(岩波書店)
山内道夫他

 東成瀬村を取材しているうち、なぜか島根県の離島・海士町に興味が飛んでしまった。様々な局面で過疎の問題に踏み込むと、かならずといっていいほど、この海士町が「モデルケース」として出てくるからだ。島の廃校寸前の高校を蘇らせた、ソニーをやめた移住者「岩本悠」や、離島ビジネスを手掛ける、これまたトヨタから転出した「阿部裕志」といった人が海士町の有名だが、町長(この本の著者の山内さん)をはじめ裏方のスタッフも有能な人たちが多いようだ。廃校寸前の高校はどのように蘇ったのか。町長はどんな人物なのか。ぜひこの島に行ってみたい。実際に行っていろんなことを自分の目で見たい。幸い十月末、鳥取県米子でシンポジュームがあり出席するので翌日海士町まで行くつもりだ。秋田から海士町まではほぼ二日間はゆうにかかる距離というか場所だが、行く価値はありそうだ。本書を実際に書いたのは、元山陰中央新報社記者の田中輝美さん。現島前高校の常松徹校長の教え子なのだそうだ。名物町長と言われる著者のひとり山内は宴会の後、必ず「ふるさと」をうたい「気合いだ、気愛だ」と10回唱和して会を締める。ちょっと面倒くさそうだが、このぐらいのアクがなければ町を蘇らせる芸当などできっこないのかもしれない。

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