Vol.872 17年8月26日 週刊あんばい一本勝負 No.864


今週もいろんなことがあるなあ

8月19日 週3回ペースでジム通い。それと関係あるのかわからないが、いつもより爪(手)の成長が早い。フィットネス(健康)と爪は因果関係があるのだろうか。山登りを始めたころも、爪のあまりの成長の速さに驚いたことがあった。若いころに比べて爪を切る回数は確実に増えている。規則的に計測してみようと手帳に爪を切った日をメモ(先週から)。足の爪も昔は数えるほどしか切らなかったのに今は2カ月に一度は切っている。これは登山靴との関係で爪先が当たって歩きにくくなるから大事な身体ケアーでもある。週1で爪を切るのは普通か異常か、誰か教えて。

8月20日 モモヒキーズの山行があったが(八幡平)、パス。早起きする「勇気」がないこともあるが、先約のパーティがあり出席予定だ。昔ならパーティより山行を選んだはず。ちょっとしたことで人の言動は変化する。エアロビ・レッスンでは山行と同じ達成感を短時間で週3回味わえる。ジム依存が強くなるのもムベなるかな。山行なしの週末は原稿を書いたり、買い物したり、雑用を片づける。ジム通いも昨日でちょうど1カ月。13回レッスンを受け、体重は3.5キロ減。

8月21日 今月末からHPで新連載が始まります。江戸末期の落語家の東北遊覧記の現代語訳です。船遊亭扇橋『奥のしをり』は、天保12年(1841)に仙台を皮切りに奥州街道を北上し、来満峠から秋田領に入り、久保田城下に至るまでの2年間を綴った寄席興業旅日記。扇橋はなぜか秋田が気に入ったようで半年余りを秋田に滞在しています。落語家が見た幕末東北の暮らし、というのが本書のミソ。訳者はうちで幕末や北前船の本を多く書いている加藤貞仁さん。週一ぐらいのハイペースで更新を予定しています。

8月22日 東京と違ってこちらは久しぶりの雨。たまには雨もいい、とつぶやきそうになるが、7月のあの豪雨を経験しているから、すぐに洪水の怖さが脳裏をよぎる。自然災害に人間はなすすべもない。最近、山に行かないのはクマが怖い、というのも一つの理由だ。いろんなことが怖くなっている。心のキャパが狭量になっているのだろうか。

8月23日 池内紀さんふうに言えば「置き本」。要するにトイレに置いて読む本のこと。毎朝の愉しみでもあるのだが、楽しいと思える本でなければ「置き本」の資格はない。この2年間、置き本は無条件に高島俊男さんの『お言葉ですが…』文庫シリーズだ。そのシリーズ10冊を先日全部読んでしまった。最終巻の「ちょっとヘンだぞ四字熟語」がおもしろさでは群を抜いていた。週刊誌連載時にはなかった読者からの反論異論も併記されているのがいい。これからはまた「置き本」にあれこれ悩む日が続くことになりそうだ。

8月24日 資料を読んだり取材のとき、ひっきりなしに年号が出てくる。ほとんどが和暦と西暦が混じり、そのつど西暦や和暦に置き換える作業をする。昭和は「25」年をプラスすると西暦に替わる。これは常識だが、平成は「12」を引いて西暦を算出する。これが少し厄介だ。例えば平成6年は「12」を引くとマイナス6。このマイナス分を2000年からもう一度引かなければならない。昭和よりも2度手間になる。基本的には西暦が好きだ。私の10歳単位の年齢と西暦年代が符合しているせいだろう。10代は60年代だったし、20代は70年代だ。だから36歳といえば1986年なのである。

8月25日 夜中ずっと雨が降り続いていた。朝起きたら空から薄日が差し込んでいた。毎朝聴く朝のFMラジオのクラッシック番組は、途中で何度も中断、大雨の被害や注意情報を流していた。7月に続いて仙北地方の被害・避難がニュースのメインだ。そういえば明日から大曲の花火。花火と川は親類のようなものだから、河川の氾濫は大問題だ。タイミングが悪すぎる。私も明後日の日曜日、東成瀬村を出発して岩手県側まで歩き通す「仙北道踏査」現地調査会に参加予定だ。朝は3時起きで高速道を南下する。そこでもし大曲花火の帰り客渋滞とぶつかれば出発時刻到着はほぼ不可能だ。前日に東成瀬入りをすればいいのだが、これも花火観光客ラッシュとバッティングする。はてさて、どうしたものか。 
(あ)

No.864

遺跡が語る日本人のくらし
(岩波ジュニア新書)
佐原真

 あいもかわらず「岩波ジュニア新書」のお世話になっている。今回のテーマは「古代」。県内にある伊勢堂岱や秋田城などの遺跡を見るうち、しだいに古代に興味を持つようになった。北海道南部から東北北東部にかけて縄文遺跡群が自然遺産登録申請していることも、興味に拍車をかけた。世界の古代文明はすべて農業を基軸に発展した。なのにこの東北縄文遺跡群は「狩猟採取漁労」が暮らしの中心で農業とは無縁だった。本書では縄文と弥生の境目を丁寧にわかりやすく解説している。縄文人は、顔が上下に短く、眉毛が太く、二重瞼で耳たぶが大きかった。耳垢は湿っていて、腋臭があった。渡来の弥生人は、顔長く、眉毛薄く、目は一重、耳たぶが小さかった。耳垢は乾いていて、腋臭はなかった、という具合だ。感動したエピソードは「家畜のブタ」の話だ。弥生時代にイノシシはもちろんいたが、なんと「家畜のブタ」もいたというのだ。にわかには信じられないが、遺跡から出た骨格から調査を進めると、2つの骨格は微妙に違う。そしてブタの歯のほうから歯周病の跡が見つかる。野生のイノシシには絶対にないものだ。遺跡から推理できる、こうした小さなエピソードが面白い。

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