Vol.911 18年6月2日 週刊あんばい一本勝負 No.903


月末を乗り切って、のんびりしたい

5月26日 夏を思わせる日差しだが、外は風が強く心地よい。午前中はデスクワーク。午後からは原稿に手を入れる予定だが、その前に散歩をしてしまおうと外に出たら、汗をかうほどぐったりしてしまった。疲労が激しい。無性に甘いものが欲しくなり、途中のコンビニで菓子パンと大福。こんな糖分が欲しくなるなんて、どうしたんだろう。

5月27日 体調に不安を抱えたまま朝5時起き。矢島口から八塩山登山。ちょっとぐらい具合が悪くても「行きたい」気持ちのほうが勝ってしまった。天気もいいし、メンバーもいつもの気兼ねない仲間たち。でも、やっぱり足がついていかない。最後まで歩き通すことはできたが足元はおぼつかない。今週から少し筋力トレーニングを本気でやるつもり。来週からは山形の仲間たちと鳥海山周辺のトレッキング予定。

5月28日 もう5月が終わってしまう。夏のDM通信の時期が来てしまった。月末のゴタゴタのなかでいろんなことが重なってしまった。6月に入るとすぐ山形酒田の山仲間たちと3泊4日で鳥海山麓をウロウロする会がある。新刊も2点出る予定。目の調子も相変わらず悪いので目医者に行かなくては。

5月29日 日大のアメフト問題で、経営陣のトップがほとんど体育会系のOBなのは日大闘争の影響だ、とテレビで誰かが解説していた。その通りなのだが、「日大闘争って何ですか」とキャスターがまじめな顔で解説者に問い直していた。「あの、ほら60年安保の時のデモの……」といっても誰もすぐに反応しない。本当に日大闘争のことを知らないのだ。日大闘争は60年安保と関係ないし、日大の暴力支配は半世紀以上前から有名な話だ。それにしても日大闘争を誰も知らないとは。昭和は遠くなりにけり。

5月30日 朝から東由利へ。高齢者大学の講師。目の調子がよくないし、人前でしゃべるのは億劫だし、月末で忙しい。何とか断ろうと思ったがダメだった。東由利から帰ってきたら県南のある町から、郷土の特産品の歴史に関して教えてほしい、という電話。これもむげに断れず30分近く電話で自分の勉強した知識を詳しく伝えた。知識も情報も無料ではない。最近、ケチになったわけではないが、なんとも釈然としないことが多いのは、知識や情報が「ただで当たり前」のような風潮があるせいだ。

5月31日 ランチは事務所でリンゴとカンテンが定番だが、台所に「アリ」がでた。注意していたのだが、アリも賢い。何と冷蔵庫の野菜室に住み込んでいた。急いで退治したが、こうなると知恵比べだ。このところ「梅」にはまっている。ハチミツなど使わない塩だけのやつだ。アリと梅、関係ありそうで何の関係もない。。

6月1日 戦国時代にイエズス会士によって西欧に送り込まれた少年キリシタン使節4名の物語『クアトロ・ラガッツイ』(若桑みどり)を読んでいる。のだが、なかなか本題の少年たちが出てこない。文庫本上下で1000ページを超す大著なのだが「上」では最終章まで少年たちは登場しない。でも面白い。大航海時代のキリスト教の世界布教の実態がよくわかる。先日の新聞で、昭和天皇のキリスト教への接近の記事は興味深かった。あと一歩で改宗しそうなところまで行ったようだ。明治以前までは天皇は仏教に親しんでいたが、政府は天皇の神格化を図り(天皇より仏が偉いのは困るので)神道信仰に一本化していくことになる。武士(大名)とキリシタンの関係も面白い。大名がこの宗教に何を求めていたのか、よくわかる。しばらくがんばって本を読み通さねば
(あ)

No.903

ヒルズ黙示録
(朝日新聞社)
大鹿靖明

 最近、読みたい本の傾向が微妙に変化している。新刊一辺倒だったが、過去の読み逃した『ハチはなぜ大量死したのか』とか『透明人間の告白』といった話題本をユーズドで安く買い、読んでいる。本書に至っては10年以上前の、あのホリエモンのライブドア事件のドキュメントだ。何をいまさらという感じだが、これが今読むと実に面白いのだから不思議だ。この事件の導火線になったのは村上ファンドであり、ライブドアを事実上けん引したエンジンはナンバー2の宮内だった、なんて当時は知らなかった。「自社株食い」というスキームの発見からすべての悪事が始まった、なんて当時のマスコミはほとんど報じていなかった。本書でマスコミ報道の一過性の危うさを知ることになった。だいたいホリエモンがフジテレビを乗っ取ろうとしたアイデア自体が村上氏のアイデアなのだ。堀江本人は宇宙開発と芸能界にのみ興味が集中し、事件のさなかにもタレントの吉川ひなのに夢中だった様子が克明に描かれている。書いたのは朝日新聞記者で、当時は「アエラ」に所属・執筆していた。筆力がハンパなく、よくこれだけの取材ができたものだ。

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