Vol.1022 20年8月1日 週刊あんばい一本勝負 No.1014


めん類・カッパ・ナスガッコ

7月25日 ずっとランチは事務所で「めん類」。カンテン・リンゴのダイエット・ランチに飽きてきたこともあるが、ヒマなせいか自分の食べるものを作る時間ができた。ラーメンも冷やし中華もスパゲッティもジャージャー麺も、具材をたっぷりのせたそば・うどん類,ソーメン、焼きそばも何でもござれ。朝起きると「今日は冷やし中華だな」ってなことをつぶやき、朝ごはんを食べ、夕飯は晩酌と残り物で済ませる。一日の食事の中心は昼になった。当分はめん類ランチが続きそうだ。

7月26日 真昼岳山行。風がなく蒸し暑く3リットルの水を飲んでしまった。赤倉口からの登りは3時間20分。下山は2時間40分。登山口には所要時間が2時間40分と書かれているが、もうサブスリーは無理。下山中2度ほど雨が激しくなったが、久しぶりに合羽を着てしのいだ。それにしても登山客はゼロだ。下山して初めて知ったのだが、昨日、秋田では17人目の感染者が見つかったのだそうだ。なんだかジワジワと身の回りにコロナが迫ってきたようで、いやな気分だ。

7月27日 山歩きの翌朝は快調。朝までにすっかり疲れは取れている。でも昨夜は何度か蒸し暑く寝苦しで目が覚めた。雨の音もけっこううるさかった。

7月28日 読売新聞秋田版に連載中の「地域医療」のレポートを本にすることが決まった。で、ちょっとあわただしい日々が続いている。なんとも時期が悪い。DM通信の編集発送や全国紙の広告の締め切りと重なってしまったのだ。そのため編集済みのチラシや広告、通信内容などに新刊を追加することになり、締め切りとのギリギリの戦いになってしまった。まあこんなこともある。このまま問題なく進行すれば9月初旬には刊行できそうだ。

7月29日 読みたい記事があり『週刊ポスト』を買う。週刊誌を読む習慣はない。岸信介という政治家の検証シリーズが読みたかったのだが、グラビアページはエロ雑誌そのもの。しかし驚きはそこにとどまらなかった。その過激なヌードグラビアに見知った女性が載っていた。彼女は確か少し前まで秋田のローカルTV局でアナウンサーをやっていたはず。グラビアでは局名も明らかにしグラビア・アイドルとして人気、と紹介文がある。1冊の週刊誌で頭をガツンと殴られたようなショックを受けてしまった。

7月30日 目くじらを立てるほどのことでもないが、土崎港曳山まつりの「見返し」(社会風刺の五・七・五を木札に書いて曳山に飾る)に「消毒と 言って晩酌 カガごしゃぐ」の作が最優秀賞に選ばれた、という記事。県内の日帰り温泉の下足場には「ひとの靴 履いで帰れば アバごしゃく」という名(迷)句がある。この句はその「アバ」を「カガ」に替えただけで安易極まりない。例えば私が「ゆるやかに岩にしみいる夏の空」という句を作ったとしよう。これは誰が見ても芭蕉の「閑さや岩にしみいる蝉の声」のパクリだ。ユーモアの核心部分が剽窃ならそれはもうユーモアではない。と思うのだが、どうだろう。

7月31日 夏は到来物が多くなる。もらって一番うれしいのは「ナスガッコ」と「トウモロコシ」でどちらも垂涎の好物だ。先日、刈和野のKさんからナスガッコをいただいた。市販のナスガッコは保存料や化学調味料が強くて苦手だが、Kさんの手作りナスガッコは絶品、材料からつけ方まで高レベルで、これさえあればウイスキーでもワインでもOKというほど汎用力のある肴になる。Sシェフにも食べてもらいナスガッコの感想を聞くと「素材がいい。丁寧につけている。粒の大きさが均一」というのが美味しい理由だそうだ。なるほど、そういうことか。
(あ)

No.1014

牛疫
(みすず書房)
アマンダ・ケイ・マクヴェティ・山内一也訳

 牛疫ウイルスはコウモリが保有していたものが牛の祖先の原牛に感染した。牛疫は2011年に根絶が宣言された。天然痘根絶に次ぐ偉大な人類の戦いの成果といっていいだろう。著者はマイアミ大学教授で国際関係史を専門とする女性歴史学者だ。意外だったのは「牛疫と日本」との深い関係に多くのページ数が割かれていたことだ。最悪のケースは戦火のただなか、日本は牛疫ワクチンを「武器」として軍事利用を考えたことだ。二次世界大戦は食糧をめぐる戦争でもあった。食糧を自国のために確保し、敵国に与えない。これは戦争のセオリーだ。牛疫ウイルスの粉末を入れた風船を敵国まで飛ばし広範囲の動物を感染させる。風船爆弾である。これでアメリカの牛を壊滅させる計画だったが、東条英機の「報復で日本の稲がやられる」との意見を受け中止になったという。こうして牛疫は世界各国の利害や事情に翻弄されながらも、科学者たちの研究や国際的な根絶キャンペーンで1960年代、組織培養ができるワクチンが開発された。このワクチン開発にも日本人科学者・山内一也が深く関わっていた。その山内が本書の訳者である。

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