天翔ける船紀行
A5判・310頁 定価1800円+税 冊数
序章   船形山の山名考−−素朴な疑問からの出発
     その一 常識、定説を疑う
     その二 地名はそれほど単純ではない

第一章 船形山は、本当に船の形をしていたか?
     その一 「船に似た山容」説の矛盾
     その二 幻の「雪形」説

第二章 「船」には、もっと深い意味があった
     その一 船形神社に「船の形代」発見
     その二 神輿の原型は「神霊を運ぶ船」に
     その三 祭は船でやってきた神の誕生祝いである
     その四 神威の復活こそ、祭の原点
     その五 はるかな源流を暗示する船の観念
     その六 船で往来する神と、祭のいろいろ

第三章 日本神話に活躍する船
     その一 天上と地上を結ぶ船のさまざま
     その二 『日本書紀』にみるニギハヤヒの天降り
     その三 ニギハヤヒが天降りした、その地は?
     その四「船」と「磐座信仰」の結ぴつき
     その五 各地にひろがった磐船伝承
第四章 「船の観念」を秘めた信仰と民俗
     その一 玉依姫は木船に乗ってやってきた
          ----貴船神社
     その二 京都の船岡山も「船の形」にあらず
     その三 五山送り火に見る船形山の「船形送り火」
     その四 船で出現した岩船山高勝寺の仏霊

第五章 霊魂を操作した古代の科学
     その一 諏訪大社の主は地方大王の神霊か?
     その二 諏訪大社はへビの水神信仰が発生源
     その三 諏訪大社のお船祭に見る「船での祖霊奉遷」
     その四 『諏訪草子』に見る船の活躍
     その五 ヘビの原始信仰と「磐座信仰」が
          結ぴついた諏訪の神
     その六 富士浅間神社の御鞍石に、船形神社の
          オクラ石の原義を見る
     その七 古伝に示された「木船」「石船」の意味

第六章 祖霊も神も船に乗る
     その一 神社の起源は族長(支配者)の墓である
     その二 古墳の祖霊と船の関係
          ----「船」の名のついた古墳
     その三 「船」のついた山名には神話が投影している
     その四 古墳の壁画に描かれた「船」の意味
     その五 「船」の名をもつ神社、寺院
     その六 船形石棺のルーツを伊勢神宮「御船代」に
          重ねてみる----縄掛突起の謎
     その七 「舟葬」の厳密な意味
     その八 古墳に納められた船の形代
第七章 アマテラスは船で再来する
     その一 アメノウズメの乗るウケフネとは?
     その二 ウケは、穀物の意味をもっている
     その三 天岩戸神話に見る「船」の役割

     その四 アマテラスが降りた船は伏せられる
     その五 御船代とは?その形と役割
     その六 サタノオオカミを乗せる船
     その七 御船代も枢も死霊密封の容器
     その八 伊勢神宮の通説の誤り

第八章 各地の船形神社
     その一 山形県の船形神社
          ----「船」で活躍した諏訪の神
     その二 宮城県内の船形神社
     その三 山形県にある「升形」と「舟形」地名
     その四 船形三山信仰の痕跡を示す遺物

第九章 山名の変遷からみる船形山
     ----「船形山」の山名は、神社地の名称だった----
      付・信仰がつけた山名----船形山を中心として 

第十章 メソポタミアの古代文明に見る船の観念----結語
     その一 沖積平野に発達した文明と神話の意味
     その二 船の神話の発生
     その三 「箱船」とは?----「契約の箱」との共通性
     その四 旧約聖書に語られる「契約の箱」
     その五 日本の神道と、遠く隔てて通じ合う
          古代ユダヤの信仰世界
     その六 クフ王の船は、冥界を旅する太陽の船


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