| Vol.168 03年11月22日 | 週刊あんばい一本勝負 No.164 |
| 映画でみるアイルランド | |
最近2本のアイルランド映画を見る機会がありました。BSで放送した「フィオナが恋していた頃」と、東京の恵比寿ガーデンシネマで見た「マグダレンの祈り」(2002年ブェネチア国際映画祭・金獅子賞受賞)です。「フィオナ・・・」は1926年と現在をオーバーラップさせ、アメリカに渡ったアイルランド移民のルーツ探しの形をとっています。アイルランド西海岸の田舎町を舞台に、惹かれあった男女とその関係を認めようとしない家族や村人によって引き起こされる悲劇。また「マグダレン・・・」は1964年の首都ダブリン郊外の女子修道院を舞台にし、“堕落した女性や娼婦の避難場所”の名目で運営されているが、実は個人の尊厳を一切認めない強制収容所のような実態と、そこから抜け出して自立する強い女性を描いています。どちらも盲目的なキリスト教信者に対して決定的な支配力を持つ教会と、一昔前の封建的なカトリック社会を強烈に見せてくれます。
| 「マグダレン・・・」の主人公を演じたノーラ・ジェーン・ヌーン。この映画は11月29日から仙台市のシネアート1でも上演される。 |
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こんな重いテーマの映画ですが、アイルランド好きにとってはたまらないシーンが随所に出てきます。アイリッシュ・ミュージックが生き生きと演奏され、ギネスビールを飲むダンスパーティや結婚式のシーン(実はこの裏で悲劇が始まるのですが)や、美しい自然を背景にして流れる哀愁を帯びた音楽。封建的だがどこか愛らしく憎めない面もあるカトリック社会の習慣、アイルランドの国民的詩人イェーツの名前などがちりばめられています。舎員旅行でアイルランドに行ったためもあり、舎内に小さな「アイルランド友の会」のようなものがあり、盛んに情報交換をしています。今回紹介した2本の映画を見ることが出来たのも、友の会会員の永井登志樹さんからの情報のおかげでした。
(鐙) | |
| 「一行樹」という料理屋さん | |
11月も半ばを過ぎたが、この2週間のうちに角館にある「一行樹」(かずゆき)という古い旅館を改造した料理屋さんに2度も行った。ほとんど外出(外食)しない私にはきわめて異例の事態だが、それもこれも初めて食べたここのお料理があまりに美味しく、「あれはもしかすると夢かも」との不安から、2度目はカミさんを同行して証人になってもらった。夢ではなかった。1万円のお任せコースしかない、40歳になったばかりの夫婦2人だけで切り盛りする小体な店だが、出てくる料理は素材は日本料理、食器や調理法は西洋料理、日本酒よりはワインと相性がいいヘルシーな和食である。うまい、まずいという以前にほとんど出てくる料理が生まれて初めて味わう味で、料理人の想像力にただただショックを受けた。
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実は、ここを切り盛りする女主人・由樹さんは私の隣の家のお嬢さんで高校生の時から顔なじみである。だからなんとなく行きにくくて、こうして誉めるのも身びいきのようで遠慮していたのだが、はっきりいってお店はそんなスケールで計れるレベルではなかった。全国の高級和食店を食べ歩いたことなどないから、とぼしい経験と想像力で比較しているだけなのだが、京都の草喰料理「なかひがし」やスペインの「エル・ブリ」といった料理屋さんと同じ流れに位置する「創作料理」なのかもしれない。2度行って同じ皿は1品のみ。近々もう1度行く予定。1ヶ月間に同じ店に3回行くというのは初めての経験である。 (あ) | この2人でお店を切り盛 |
| 藤庄印刷の渡辺さん | |
カラーものの印刷をお願いしている藤庄印刷秋田営業所のウチの担当者は元気のいい20代の女性・渡辺あきほさん。玄関で「こんにちは、藤庄です!」と大きな声で入ってくるので、その声で緩んでいた事務所の空気が一瞬引き締まる。
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入社したての頃は、失礼ながら「御用聞き」の域をでない仕事ぶりだったが、ここ数ヶ月で「化け」つつある。わざわざ所長が来なくても自分の判断で決定し、編集上の問題や印刷現場へのクレームも、ちゃんと一人でこなせるようになった。若い女性(それも他社の)に仕事を一生懸命教えても、すぐに辞められるので付かず離れずの関係が一番、という偏見がこちら側にもあったのだが、どうやら渡辺さんは厳しい職場の荒波を乗り越えてプロとしての自覚が芽生えつつあるようだ。ひとつのことに秀でた若い女性というのは見ていても気持ちがいいものだから、ぜひ頑張って欲しいものだ。 (あ) | 渡辺さん |
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