vol.8 00年10月14日号
舎、はじまって以来の新刊ラッシュ
【スケジュールボード】
 この10月はわが舎始まって以来の新刊ラッシュになってしまいました。たまたま去年から編集していたものや最近のものが一緒になってしまったのですが、オールカラーの温泉シリーズが続々と完成しているのも大きいようです。
次にその刊行予定日をあげておきます。
  5日 『関東お祭り紀行』
 13日 『秋田「お天気」読本』
 20日 『庄内淡水魚探訪記』
 21日 『山形の公共温泉』
 25日 『秋田の山登り50』
 28日 『田んぼの隣で本づくり』
     (舎主が日本エディタースクールから刊行)
 30日 『おらほの学校通信』
 31日 『秋田のことば』
 31日 『とうほく名水紀行』
たぶん、これは小舎の四半世紀の歴史の中でも最高記録だと思います。この作業のため、連日事務所にはお手伝いをしてくれるパートの女性たちが詰めてくれています。

(安)

「阿部勉1周忌法要」
 10月8日、角館の龍岩寺という曹洞宗のお寺で「阿部勉1周忌法要」が行われたので行って来ました。阿部さんとは生前親しくさせてもらっていたのですが、三島由紀夫の「楯の会」の会員で新右翼民族派「一水会」にも所属していた人です。思想は違っても魅力ある人というのはいろんな人を引きつけるもので、私も何の違和感もなく一緒に酒を飲んだり、議論をしたりしていました。54歳という若すぎる死でしたが、会場には東京から駆けつけた「民族派」の人たちでいっぱいでした。秋田からの出席者は少なく写真家の千葉克介さんぐらいしか知り合いはいませんでしたが、鈴木邦男さんや青木さん(この人は民族派から任侠の世界に入り顔役だと阿部さんからは聞いていたのに、まったくそんな影はみじんもなく先頭で法要を仕切っていました)といった方々と久しぶりにお会いしました。なかなか刺激的でいい法事でした。
(安)

なべっこ遠足です。
【呼びかけのチラシ】
 今年も恒例のなべっこ遠足を10月14日に「河辺少年自然の家」で行います。去年、山形の印刷所から差し入れてもらった「芋煮会セット」が大好評で、今年もおねだりして十人前を用意してもらいました。料理長イワキのバーベキューもあります。四方を山に囲まれた古い校舎に集い、大人数で食べる野外の食事はいくら年をとっても、スレてきても最高です。ぜひいらして下さい。なお、なべっこ遠足のレポートは次回で特集します。
(安)

古本屋めぐり
【今回購入した本の一部】
 久々に何も予定のない休日となった体育の日、秋田市内の古本屋めぐりをすることにし、一日で昔からの古本屋4店と、ブックオフ3店を廻って郷土資料を探してみました。ほとんどの成果はブックオフに集中することになり、地方でのこれからの古本屋状況を反映した結果と言えるかもしれません。なにも既存の古本屋に欲しい本がないというわけでなく、逆にたくさんあるのですが、本の魅力と値段のバランスが悪い、つまり高いわけです。今回の買い物15冊のうち『角川日本地名大辞典・秋田県』1000円、『山形県大百科事典』1100円、『秋田県の民俗芸能』300円。ほんの一例ですが、これは普通の古本屋では十倍ぐらいになります。
古本に興味がない人にとっては、ブックオフのほうが売りに行きやすいのは当たり前なので、これからはこのようなお買い得がしばしばあるでしょう。ブックオフで本を物色していた、秋田市内の古本屋さんと会ったこともあります。我々にとっては選択肢が増え楽しみなことです。

(鐙)

菅江真澄の魅力
【菅江真澄肖像画】
 先日、秋田県立図書館で開催された「秋田ふるさとセミナー・菅江真澄 森吉山麓の旅」(講師 永井登志樹さん)に参加してきました。定員100名の会場はほぼ満席で、秋田の人たちの彼への関心の高さを感じました。その一方で私の彼に関する知識は「江戸時代、秋田を旅して自然や人々の生活を記した人」という程度のものでした。セミナーでは、彼が見たものと変わらない風景を現在も見ることができると知り、突然、菅江真澄を身近に感じるようになりました。また、すでにダムの底に沈むなどして失われた風景もあるということから、資料を記録し、残すということの重要性を再認識してきました。
1時間半ほどの講義でしたが、菅江真澄に魅かれる人たちの気持ちが少し理解できたような気がしました。

(富)

週刊あんばい一本勝負 No.6
立花隆
21世紀 知の挑戦(文芸春秋)

 本書が編まれるきっかけはTBSの特別テレビ番組『ヒトの旅、ヒトへの旅』である。人間を「ヒト」と表記するのは奇を衒ってのことではなく、人間を一生物種と捉えてのことだろう。近年の科学の発見の中でも特筆すべき「微生物もヒトも同じ起源をもつ」という衝撃的な事実に依っている。「人間も動物の一種」という慣例句のような言い方は、ヒトも原初的生命である原核生物に繋がっている生き物であることが遺伝子解読や分子生物学で明らかにされた以上は、陳腐すぎて使いものにならないのでは。
 本書にはサイエンスの最前線やDNA革命、遺伝子治療の驚異など、その記述の八割が「遺伝子」に関わるルポである。驚くべきなのは「DNA革命はここまで来た」のなかで、遺伝子治療のなかで重要な役割を果たすベクター(遺伝子を細胞の中に送り込む)にエイズウイルスの感染力が注目されているというのである。これにはぶっ飛んでしまった。とにかくアメリカのトップクラスの大学では文系でも分子生物学と細胞生物学は必修科目だという。

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