Vol.349 07年5月19日 週刊あんばい一本勝負 No.345


オヤジのフィットネスは満身創痍

 身体を動かすようになってから常に身体のどこかが痛い。近所のスポーツクラブに通いだしたのは2月初旬、すぐまんべんなく筋肉痛になり、これは当然として、3月から山登りを始めたら、腰が痛くなった。腰痛は初めての経験で、けっきょく完治するまで2週間かかった。タイ式マッサージや整体、整骨院にも通ってみたが、病気というよりスポーツ疲労が腰に溜まった、というのが正解のようで時間とともに直った。登山後の筋肉痛をやわらげようとストレッチ、ふとした拍子に頭をマットに強く打ち付け鞭打ち症になり、整骨院で治療したのはつい昨日のことだ。3日前の太平山登山がきつくて、足の筋肉がパンパンに張って歩くのもままならないときだったので、もっとも無防備な首に疲労のかたまりがバーンと直撃砲を食らわした感じ。
 それにしても、ちょっとハードスケジュールだ。腰痛を抱えたまま12、13の両日は、鶴岡で10キロウオーキングと羽黒山4キロ登りのイベントに参加、その疲労も取れない3日後に太平山に登っている。翌日もストレッチのためスポーツクラブで汗を流し、夜の散歩もほぼ欠かさず1万歩歩いている。どうみても60オヤジの運動量ではない。不思議なのは麻薬でもやってるかのように「疲れない」こと。疲れないから毎日トレーニングをする。でもその疲労は表面に出なくても、どこかでちゃんと蓄積されていて、ふとした拍子にケガや痛み、病気として身体に顕在化する。「疲れない」というのは一番警戒すべきことなのに、ついつい調子に乗って油断して、最後はぶっ倒れてしまう。わかっちゃいるけど止められない。最悪なのは運動中よく「足がつる」こと。「こむら返り」というやつだ。医学用語では「有痛性けいれん」というのだそうで、エアロビや山登りの最中、寝ているときに意思とは無関係に(運動に関する筋肉は脳の指令で動く)、急に筋肉が縮む。この筋肉(足)の急速収縮のことを調べてみると、詳しいメカニズムは医学の世界でもわかっていないのだが、「体力に合わない無理な運動をしていると起こる可能性がある」という。そうか、やはりハードトレーニングが原因だったのかも。いやはやオヤジのフィットネスは難しい。
(あ)
鶴岡・湯野浜でウオーキング大会のあとの余興
オヤジ、へろへろで太平山登頂に成功
毎日のようにかようスポーツクラブのジム

No.345

246(スイッチ・パブリッシング)
沢木耕太郎

 変わった題名だが、著者の住む街から都心に向かう道路名だそうだ。自分という「うち」から、社会という「そと」の世界に続く回路を、道路名に託したというわけで、さすがですね。本書は、著者39歳のとき雑誌に連載した日記風エッセイを単行本化したもの。書名も意味を知るまでは不思議だったが、この版型(B5)もよく意味がわからない。エッセイ集なのにまるでヴィジュアル本のような大きさだ。もしかすれば掲載誌(「スイッチ」)と同じ大きさを意識した、ということなのかな。内容はあいかわらず著者の丹精で精緻な言葉で綴られた、しかし肩のこらない雑文集だ。辛口の論評も随所にあって、これが楽しめる。長嶋茂雄のわけのわからない采配批判、中野選手の競輪世界選手権10連覇の不思議、相米監督の映画「台風クラブ」は口を極めてののしられている。少し意外だったのは、テレビには出ない、という著者の自分に厳しいポリシーの裏側で、高倉健から糸井重里まで、かなり広範な有名人たちとの交際があることに驚かされた。さらに、雑誌に書いたものの最終的な許可がおりず出版を止めた作品や、いろんな事情から途中断念した作品がかなり多いのにもビックリした。時期的には「血の味」という小説執筆中のときと日記の執筆時期は重なるのだが、その読んだはずの小説のストーリーは、覚えていない。

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