No.96
雪山ハイクに適した自然公園
[大滝山(206m・秋田市――2015年2月8日)]
 冬の雪山ハイキングは「山登り」とは明らかに違う。スノーシューやスパイク長くつといった装備の差だけではない。「山登り」には体力的な苦痛や精神的に強い克己心が必要になる。それが大きく、きつければきついほど、得られる達成感も大きいことになる。目標(ゴール)に向かって自分との激しい戦いを演じるスポーツといってもいい。ところが雪山ハイクは、基本的にハードな高低差や標高のある山は対象外。危険すぎるからだ。低くて、登山口までのアプローチが短く、安全性の高い山が雪山ハイクのまずは第一基準になる。山頂まで長時間かかる場所は敬遠される。せいぜい雪の山中では5時間が行動時間の限界だ。夜が明けるのが朝の7時、日が暮れるのが午後3時、というのが行動の目安なので、1日の行動時間が著しく制限されるためだ。
 逆にいえば、そのため「山登り」のようにまだ暗いうちからスタートしたりする必要がない。いつものウイークデーと同じように起きて朝ご飯をゆっくりとってから集合場所に行ける。これが雪山ハイクのアドヴァンテージでもある。スポーツと言うよりレジャー感覚に近いのだ。

 今日は秋田市にある大滝山自然公園だ。山頂の大滝山まで登り、そこから下って大きな用水路を1周する。どちらかと言うと山頂に行くことよりも用水路1周に重きを置いた定番コースである。夏はクマがいるし、遊歩道も荒れ放題、へびややぶ蚊、クモの巣やアブなどが多く頼まれても行きたくない散策コースだ。冬は自然の様相が一変する。まるで北欧の観光地を旅しているようなロマンチックな景観の中を歩くことができる。秋田にはこうした冬になると素晴らしいロケーションに変貌する自然がたくさんある。まあ単に粗が雪で隠されてしまうというだけの話なのだが。
 でも、今年はちょっと様子が違う。とにかくどこも秋田市周辺は雪が少ないのだ。用水路の池の氷も薄い。薄いというかシャーベット状で、なんだかちゃんと凍っていないようだ。こんな時は雪山ハイクは逆に厄介なことになる。ツボ足でも歩けるようなところと、新雪でスノーシューが必要な場所が、交互に出てくるからだ。その場所によってスノーシューの着脱を繰り返さなければならないのだ。

バレンタインのチョコレート

喰い散らかされたあとの山鳥
 ランチは大滝が流れ落ちる自然公園のメインスポットで。女性陣からきれいなチョコレートが出て、今日がバレンタインデーだったと知った。帰り道できれいに食い散らかされた(ちょっと変な形容だなあ)山鳥の毛が雪の上に散乱していた。きれいというのは肉のかけらもないほど完食していたからだ。タヌキやキツネの仕業だろうか。
 登りと下りが違う周回コースなので飽きはない。ゴール付近で道をそれて中世の豪族の居城跡である「春子の館」に立ち寄り、無事登山口の大滝山温泉に帰ってきた。周回3時間半。
 温泉はこの登山口の大滝温泉ではなく、秋田市内にある「ユラックス」。登山後だけでなく、日常生活で風呂に入られない非常時などによく利用する温泉だ。

backnumber  ◆ Topへ