No.322
男鹿真山・もうイチリンソウが咲いていた
[男鹿真山・565m・男鹿市――2025年4月12日]
 来週の15日、神宮寺岳に花を見に行く予定だったが、雨の確率が高く、中止の可能性が濃厚だ。このところ天気のいい日が少ない週末だが今日だけは「晴」。15日がダメになりそうなので、今日しかない。と思いたって男鹿真山へ。駐車場には10台くらいの車が止まっていたが、山の中で登山客には一人も出逢わなかった。登山以外の用事でとめている車だったようだ。取り立てて眺望がいいわけでもなく、見どころもあまりない地味な山だが、クマがいないというのが一番のアドバンテージの山だ。それが最近はここでクマの糞らしきものが見つかったようで、「熊注意」の看板が出ている。でも実際に目撃した人はいないようだ。
 雪はほとんど残っていなかったが、こんな時の用心のためスパイク長靴だ。花はイチリンソウが至る所で顔を見せていた。まだ本格的に雪から目覚めていない黒っぽい土に、その花の白さは際立っていた。いつもながら山頂付近の、ダラダラと連続する長い階段が面倒くさい。登り1時間20分、下山1時間。前岳ほどではないが、ここもけっこうきつい山だ。

首なし地蔵のある登山道

山頂神社で
 下山してから男鹿温泉郷・雄山閣で温泉(入湯料800円)。男鹿駅前に立ち寄って、若い人たちのやっているカフェやラーメン屋をはしご。若者の起業で男鹿駅前が大きく変わりつつあるといううわさを聞いて、興味を持っていたのだ。東北で一番大きな店舗面積だという無印良品にもよるつもりだったが、どうにも最近は物欲がとんと薄くなり、これはキャンセル。家に帰ってきた。

 登山中はきつくてめげそうになったが、一晩寝ると、筋肉痛はゼロ。拍子抜けだ。これはもしかして高齢化のため体の繊細なセンサーが劣化しているのではないだろうか。何の刺激に対しても身体が何も感じなくなる「老人病の一種」ではとさえ疑ってみたくなる。何があっても身体はまっとうな反応をしないのなら、毎日、死ぬほど働き続けても死なないのかもしれない。いや死んだことすら忘れるようになるのかもしれない……とまあ、山行翌日の、気持ちいい目覚めの朝に、妄想するジジイである。

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