No.292
前岳・青空に騙され泥と雪の山へ
[前岳(731田市――2024年3月24日)]
 黒森山が23年11月だから、約4か月ぶりの山行だ。前岳に登ったのは去年の9月だから半年ぶり。山に登るためには普段から節制が必要だ。いきなり山に登るのはリスクが大きすぎる。そこで1カ月前からストレッチと筋トレをはじめた。にわか仕立てだが、今回はこれが役に立った。
 とにかく青空が美しい。3月にこんな天気は珍しい。久しぶりのひとり山行だ。来週には泥湯温泉から山伏岳に登る予定なので、今日は大切なトレーニング山行でもある。
 前岳の一番の苦手は登り始めだ。実に難しい急坂が最初に来るのだからやっかいだ。最初の30分間が前岳のすべてのような気分になる。行きは雪解けのドロドロ道でけっこう滑る。ケガをしないように慎重に登る。山中は青空の影響はほとんどなく、暗い森と泥道で、まったくパッとしない。

こんなに雪がある

女人堂のベンチは雪の下
 8合目あたりから雪が深くなった。軽アイゼンをもっていかなかったことを猛省する。いつもSシェフに「アイゼンは夏でも低山でも必携」と言われていたのを思い出す。それでも2時間でどうにか女人堂へ。そこから上はアイゼンがないと無理だ。今日はスパイク長靴が正解だった。ストックも夏仕様で難渋した。ずぶずぶと雪にのめり込むのでバランスが取れないのだ。これだけ山中に雪が残っているのは計算外で、恥ずかしい。雪に驚くばかり。川の水量もこれまで見たこともないほど豊かだった。帰りは1時間30分で降りてきた。雪できれいになった登山靴が最後は泥まみれ。登山口付近で女性の釣り師2名、カワガラスの営巣を撮りに来た野鳥の会らしきカメラ集団もいた。山懐には春が来ているようだ。
 4か月ぶりにしてはバテもせず、同じペースを守りながら、ちゃんと登ることができた。ストレッチと筋トレの効果は表れているのがうれしい。まずは、今年の初登りは、問題なくスタート。今年は山に登りまくりたい。

 温泉は少し遠回りになるが「ユフォーレ」へ。秋田市郊外の温泉ではここが一番好きな温泉だ。

backnumber  ◆ Topへ