No.255
希望の光が見えてきた山行になった
[太平山奥岳・秋田市・1170m 2021年10月3日]
 山歩き用の筋トレ期間がもう1カ月を超えた。多分もう先日の宝蔵コースのような失態はない…はず。でも最初から体が重いかった。左ひざにかすかなスクワットの影響で痛みがあった。奥岳は標高こそ低いが急峻な登りの続くハードな3時間コースだ。トレーニングには適しているが、特に眺望や花がいいわけでもない。逆に石ころや木の根だらけで平坦な休み場のないストレスのたまる山でもある。どちらかというと楽しみよりは苦行、トレーニングの山という意識が今も強い。
 今日の山友はF女史と二人。SシェフもA長老も他の用事で欠席、はじめて女性と2人だけの山行でもある。
 前日はいつものようにあまりよく眠られなかった。ひざ痛の不安も消えない。体調も今ひとつすっきりしない。我慢のまま1時間ほど登り続けた。汗が噴き出し、ようやく身体が山歩きのリズムになじんできた。ひざの痛みも寝不足の疲労感も身体のけだるさもきれいに消えた。足の回転が滑らかに、スピードを増していく。水場のある御手洗までは1時間40分。追い越しこそすれ後続から追い越されることもなかった。これは珍しい。調子がいいようだ。

山頂の山小屋が見える

山頂付近は紅葉が始まっている
 御手洗から山頂までは約1時間。ほとんど疲れを感じないばかりか、筋肉に何の異変もない。山頂付近の鳥居の急階段は、いつも目も当てられないほど疲労困憊状態で引き返したくなるのが常だ。足は痙攣直前か、この階段で痙攣が始まるのがルーチンだ。
 今日はらくらく余裕でゴール。登りは約3時間、なぜこんなに調子がいいの。下山はもっと早かった。2時間10分ほどか。恐るべし筋トレ、と我を疑ったが、太平山を「小さな山」と感じたのは、生まれて初めてだ(一夜明けても体には何の異変もない。筋肉痛もひざや足指の痛みもない。達成感や心地よい疲労だけの残っている)。
 最近、登山靴を高山用のハイスペックなものに変えた。ちょっと重いが岩場も木の根っこもへっちゃらで、おまけにすべらないし、足場の隙間の空間をがっちりとキャッチ。この靴のおかげだ。3割り増しで下山のスピードがアップした。個人的にはちょっと記憶にとどめておきたい山行になったが、靴と筋トレのおかげだ。先日の宝蔵コースの屈辱をどうにかこれで払しょくできた。山歩きに少し希望が見えてきた、気分のいい青空の1日だった。
 温泉は山の麓にあるザブーン。ここも久しぶりだ。入湯料は秋田市のほとんどの日帰り温泉が500円を超えている。カラスの行水派としては少し高いなあと思うのだが、バケツで何倍もの水を浴びたような汗っかきにとっては山行後の温泉は山歩きとセットで、温泉に入ってようやく山歩きが完結する。欠かせないのだ。

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