No.250
痛恨のリタイア、筋トレをやり直しだ
[秋田駒ケ岳・岩手県雫石国見 2021年8月20日]
 「秋田駒に登ってきたよ」「へぇ、どこの山?」「だから秋田駒ケ岳」「って、どこの山?」……会話がかみ合わないのは、秋田駒ケ岳という山(頂)が存在しないからだ。秋田駒ケ岳は、女目岳(1637m)、男岳(1623m)、女岳(1512m)などの総称で、秋田駒ケ岳という名前の山はない。日本中に駒ケ岳という山名は散在するが、山名の由来は消え残った山の雪が馬の形をしていることからだ。そのため山頂のない秋田駒ケ岳は、その雪形でなくアイヌ語の「コマケヌプリ(塊の山)」が語源ではないか、という説が根強く残っている。雄大に盛り上がった山塊の感じから、「アイヌ語説のほうが納得いく」(池内紀『山の朝霧 里の湯煙』)という人も少なくない。
 その秋田駒に今週末、登る予定だったが雨の予報なので2日間前倒しで金曜日に登ることになった。朝5時起きは辛く、寝不足だったが天気はピーカン、風もあり、これ以上ない登山日和。
 登山口の国見温泉まで1時間40分ほどで到着(運転手は私)、週日なので駐車場はガラガラ。気持ちよく登り始めたが、体調が今ひとつ。身体が重く、足が前に出ない。汗が噴き出し、やたらと喉が渇く。考えてみれば7月11日の東光山以来、6週間ぶりの山だ。この間、猛暑とコロナ禍でほとんど外に出ず、心身ともブヨンブヨン。
 横長根まで青息吐息、かろうじてムーミン谷まで持ちこたえたが、そこでランチ、あとは阿弥陀池まで登らず下山を選んだ。帰りの足に自信がないほど体力はズタボロだった。もう一回、きちっと山に登れる身体に作り直さなければ。

登山日和の天気

これは何のフン?
 というのも同行2人がともに年上で、彼らは何の問題もなくスイスイと駆け上がっていく。うらやましい限りなのだが、この2人はもの忘れの男女チャンピオンでもある。長老は登っている途中で「おにぎりを忘れた」とさりげなく言いだすし、F女史にいたっては「アレ、帽子を忘れたみたい」と、さも当たり前のように、今回も言いだした。毎回この2人はなにか(それも大切なものを)を忘れる常習犯。噴き出す汗と闘いながら、この先輩2人のように「見事な体力を得れば、信じがたい忘れ物をする」……さてどちらを選ぶのが得策か、などと詮無いことを考えていた。体力を維持しながら忘れものもしない人間に、私はなりたい。

 温泉は「雫石あねっこ」。久しぶりだが、国見温泉からは5キロも離れていない。ヌルヌルのなかなかいい温泉だ。寝不足で、汗のかきっぱなし、体力を使い果たしたので、湯船に入ると身体が浮き上がりそうなほどだった。長く入っていると倒れそうな気がしたほどだ。

 昨日の秋田駒リタイアは一晩熟睡しても「痛恨事」として身体に刻印されたままだ。日常的にストレッチや筋トレの必要性を痛感したのだが、

backnumber  ◆ Topへ