No.221
初詣登山の定番になった山
[妙見山(秋田市仁別 258m 2020年1月5日)]
 初詣登山はモモヒキーズの人たちと10年来続けている恒例行事。今年は秋田市仁別にある妙見山(258m)で参加者は4人だ。温泉施設「ザ・ブーン」のある太平山リゾート公園西側に位置する小さな山で半世紀前はスキー場があった場所だ。夏場なら30分、雪のあるこの時期でも45分もあれば山頂に着く。山頂には御宮(妙見堂)があり、そこで今年の山の安全と健康を祈願。下山は違うルートで旧スキー場横を下りてきた。去年よりも雪が少なくスパイク付き長くつで登れた。70歳になった今年も例年通り30座くらいの山に登れたら幸せだ。誰も歩いていない、まっさらな雪道を、息きらせながらラッセルするのは、いわく言い難い快感だ。徐々に身体が自然のリズムに同期して、その開かれた身体に雪山の清冽な空気がしみ込んでくる。動物たちの息吹も身近に感じることができる。雪上にリスやウサギ、タヌキやカモシカの足跡がくっきり残されているからだ。ここは彼らの世界で、私は侵入者に過ぎない。
 冬眠に入ったクマと出遭わなくて済むのも雪山のアドバンテージだ。冬以外の季節に登る秋田の山は年々クマとの遭遇の危険性が高くなっている。昔のように気楽に「ひとり登山」がむずかしくなっているのが現状だ。そのクマのいそうなうっそうとした森に平気で入っていけるのが雪山の大きな魅力だ。前方に障害物はない。ヤブも石も倒木も雪の下に埋もれている。静謐な雪野原を歩いていると、「生きているだけで運を持っている」とでもいうような豊かな気分になる。

冬でも彩はある

山頂にある神社
 雪山の素晴らしいところは登山道がなくても登れることだ。でも危険もいっぱいなので高い山(1000m以上)の冬期登山は私程度の初心者には無理。低山であること、登山口までのアプローチと駐車場が除雪されていること、この2つが最低条件である。
 薄曇りの中を2時間、この小さな山を縦走し今年の山歩きのスタートを切った。
 温泉は「ザブーン」。さすがにお正月中で人は少ない。入浴後、2回の食堂でランチ。新年会を兼ねてカレーライス。フンパツしてカツカレーを頼もうと思ったが、それだと確実に胸焼けして寝られなくなる。もう年には勝てない。

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