No.215
山頂で財布を落とすミス
[雄長子内岳(湯沢市 470m 2019年11月17日)]
 今日は真人公園にあるSリンゴ園で恒例のリンゴ狩りの日。午前中に雄長子内に登り、お昼にリンゴ狩り、という毎年恒例のスケジュールである。去年は確か山を下りてから真人公園で鍋っこ遠足をしたのだが、今年はリンゴ農家が忙しく昼休みの間に来てくれとの要望があり、ランチ抜きで山から下りて直行とあいなった。
 雄長子内岳は登りに1時間ちょっと。外から見ても円錐形の切り立った山で、ずっと最初から最後まで急峻な登りが続くが、距離が短いので、息が上がる前に頂上についてしまう。言い方は悪いが、リンゴ狩りの前に腹ごなしに登る山ぐらいの気持ちだったが、山中は何と紅葉真っ盛り。真っ赤に燃え上がる森の中を実に気持ちのいい山歩きとなった。途中でなめこの大群と遭遇、たっぷりここで30分キノコ狩りを楽しんだ。30分ほどで下りてきて、登山口で収穫のナメコトヒラタケを「マタギ勘定」。マタギ勘定というのは参加者全員がその役割にかかわらず獲物を平等に分けること。見ているだけだったのに、ずいぶん得をした気分だ。
 前回の山歩きから、ツエルトに変わってアイゼンをザックに常備するようになったのだが、これが重宝している。落ち葉の降り積もった山道は実によく滑るからだ。ましてやこの山のように急角度のところは、特に下りはアイゼンがないときつい思いをすることになる。いつものように私たちの登る山は「独占容態」なのだが、今日は珍しくも3人の登山者が元気よく登ってきた。私たちのパーティ(今回はリンゴ狩りなので8人)と知り合いがいるようで、ごあいさつ。

 山を下りてリンゴ園直行。そこでリンゴを買うために財布を出そうとしたら、無い。財布がないのだ。登山道に行く途中、湯沢のコンビニでコーヒーを買っているから財布は持っていた。失くすとすれば山中だ。レインウエアーに入れていたはずなので、その着脱をしたのは山頂のみ。金額は1万円ちょっと、まずいのは免許証が入っていたことだ。明日は男鹿に打ち合わせに行く予定だ。警察に遺失物届を出すか、山頂付近ですれ違った3人の登山者が運よく拾ってくれて、免許証をみて私に連絡をくれるのを待つか……。一度は登山口まで戻ったものの、やはり山頂に落としたことを確認したのみで虚しく戻ってきた。ランチは西馬音内の道の駅で名物の「冷や掛け蕎麦」。お金はリーダーから借りて払った。

サンチュは紅葉真っ盛り

収穫はなめことヒラタケ
 どうするかの結論が出ないまま家へ。明日になったらまずは警察に行こう、と腹をくくった途端、山頂で財布を拾ったあの3人の登山客の一人から連絡をもらった。秋田市内の方だった。山仲間がすぐそばに住んでいるので財布を取りに行ってもらい、今日中に事務所まで届けてもらった。無事に財布(免許証)は手元に戻ってきた。いろんな人に迷惑をかけてしまった。面目ない。
 温泉は初めての「としとらんど」。名前がベタでイヤな感じがしたが、この羽後町にある五輪坂温泉は、小高い丘の上にあり、浴場の広い窓から広大な田園風景の眺望が望める。とにかく広くて清潔で、泉質も無色透明、無臭で、塩っけのある気持ちのいいお湯だった。欠点は露天風呂が小さいことだが、たぶんこれは予算の問題でいずれ解決されるのではないだろうか。とにかく県内の日帰り温泉は設備が老朽化していたり、狭くて汚いのが問題だ。その点この温泉ののびやかで周囲の風景と溶け込んだ「のどかさ」は実にいい。

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