No.212
ゆっくりのんびり秋の奥岳
[太平山(秋田市 1170m・2019年11月04日)]
 11月しょっぱなの三連休最後の日。昨日は雨になりそうだったので今日に延期したのだが正解だった(それでも夕方から雨)。今日の山行はどこに行くか決まっていなかったが、仲間から「好きなところに」とゲタを預けられたので、なぜか迷ことなく「奥岳」と答えてしまった。奥岳は県内の山峰のではAランクに入るハードな山だ。
 今年に入ってから心境に変化があり、「ハードな山ほど楽しみがある」ことに目覚めた。歩き方のペースをなんとなくわかってきたからだ。ある人に教えてもらった「疲れない歩き方」の要諦が少し理解できるようになったのである。ハードな山ほどゆっくり歩け、ということなのだが、足に疲れがたまったら、歩きながらその疲れをとるように、ゆっくりと歩き、歩きながら疲れをとる、という理屈である。だから最近の山行は「自分のペース」を守れるように常に最後尾と決めている。先頭のスピードに惑わされなくなって、疲れや痙攣、息切れや汗のかきかたがずいぶん変わった。

 朝8時、旭又から登り始め獣臭の濃厚な紅葉の林を抜ける。来るたびにいつも思うのだが県都のある秋田市にこれほどまで人間世界を拒絶するような大自然がいまも残っていることに驚くやら畏怖を抱くやら。ゆっくり最後尾を歩くこと3時間半、「苦しい」と思うこともなく山頂にたどり着く。昔は2時間半もあれば山頂に立てたのだが、今日日は3時間半がこの山の私たちの標準登頂時間だ。でもそのぶん気持ちにゆとりがあり、息上げながら、修行に近い苦行に耐えて登るといったイメージからは遠い。

山中はまだ紅葉盛り

この鳥居をくぐると山頂だ
 最後まで余力を残し登頂、ランチを食べてそそくさと下山。山頂は寒くて長くいられないからだ。
 下山は登りに比べて逆に不得手になってしまった。下りがとてつもなく長く感じられるようになった。これは年のせいで体力がなくなっているのだろう。下りはできるならヘリで一気に里に下ろしてほしい、というのが正直な気持ちだ。
 まあそれにしても太平山への苦手意識がようやく払しょくできた。ここは一人でも登れる県内では貴重な山になりつつある(登山客が多いため)。これからは一人でも来ることが多くなりそうだ。
 温泉はザブーン。浴場も洗い場も脱衣場も広々として気持ちいい。最近はどこの温泉に行っても「お湯がぬるい」と感じることが多くなった。昔は熱いお湯が大嫌いだったのに、年とともに温度に関しても鈍感さが増したせいかもしれない。湯冷めが怖いのも影響しているのだろうか。

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