No.203
南郷岳で筋肉痛とはこれいかに
[南郷岳(横手市三内・681m・2019年5月12日)]
 実はこの日の2日前、酒田出張があり、その時間の合間に鶴岡市大山公園内にある八森山を歩いてきた。300メートル弱の小さな山だが見どころの多い魅力的な山だった。最上氏に支配される前まで武藤氏の居城だった場所で、大山は秋田に酒造りを教えてくれた「東北の灘」と言われた地域だ。見慣れない巣箱が森のたるところにありコテングコウモリの巣だという。秋田ではまったく聞いたことがない。ギフチョウもそうだが庄内の山ではこの小動物の保護にいたく熱心のようだ。登山道のいたるところに「立入禁止」の看板も目立った。これはミスミソウの群落があるからだそうだ。「雪割草」のことだ。
 そして2日後、南郷岳だ。横手市三内(イブリガッコのふる里)にある681mの山。見た目より標高があるので、山頂付近には雪が残っていた。天気も良く暑いほどだったが、山行自体は難所もなく、ぶらぶら歩いて1時間ちょっとで山頂についてしまう。下山も何の問題もなく40分ほどで終了、お昼前に登山は終わってしまった。
 今日はまあ山菜のための山行のようなものだ。Sシェフらは崖をよじ登り、高い木に飛びついたりして大健闘だったが、山菜無関心派のこちらは黙々と登って下りてくるしか芸はない。

残雪の中を歩く

崖をよじ登って山菜をとる
 閑話休題。ここ最近、山行が多いせいか、山の前日の過ごし方に随分変化が出てきた。ようするにいい意味での「慣れ」が出てきた。例えば今日は、朝は6時起き。出発は7時なので、この1時間で朝ごはん(卵かけご飯とお茶漬け)を作って食べ、ゆっくりコーヒーを飲んでから出発する。10年前は、この登山前の準備がうまくできなかった。前日から緊張で眠られず、食欲もなく、便通も悪く、体力以前にストレスを多く抱え込んでの山行が常態だった。登る前がけっこう精神的にも苦痛だったのだ。今はそれがない。体力は年相応に落ちているのだろうが、その分、事前準備ができるようになった。事前のストレスなく楽しんで登れるようになったのは、年の功なのだろう。
 というわけで南郷岳は軽いトレッキング程度だったが、翌朝はなんと筋肉痛ではないか。やはり連チャン登山の影響なのだろうか。あの鳥海山ですら筋肉痛はなしだったのに、なんだか不思議な気分だ。
 温泉は山内南郷にある「南郷温泉」だ。源泉かけ流しが売りの湯だが、泥色に濁りがあり、ぬめりのある「効き目のありそうな」湯である。上がってから気が付いたが、ここは本館元湯で、別館(新館)には露天風呂付きの大浴場があった。そっちに入りたかったが、次の機会だ。

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