No.183
ご近所の山でも、登りはきつい
[岩谷山(秋田市河辺・366m・2018年10月8日)]
 絶好の山日和だ。澄み渡った青空の中に真っ白な雲が散らばっている。このぐらいの雲の配置具合が山歩きにはぴったりだ。
 今日は市内にある岩谷山。温泉施設「ユフォーレ」の横にポッコリと鎮座する、1時間弱で山頂についてしまう小さな山だ。昔は太平山詣の「お山掛け」として参詣者でにぎわったという信仰の山でもある。
 今回もSシェフと2人だけの山行だ。ただ登るだけなら往復1時間半もあれば十分だ。そこで今回はユフォーレ側の登山口に車を止め、歩いて表参道側の登山口から登ることにした。縦走である。これならたっぷり2時間半を有する。駐車して表参道登山口までは歩いて30分だが、途中、Sシャフの知り合いの養蜂家と会い、ミツバチの巣を見せてもらう。巣の入り口にスロープがついているので、「年寄バチ用ですか」と訊いたら笑われてしまった。外でどっしりと花粉を持って帰ってくるので、その重さで転倒し巣に入れなくなるハチがいるのだそうだ。なるほどそうだったのか。

アプローチ途中であった養蜂家

山頂から町を見下ろす
 登山口までくると、今度はそばの川(堰)で川がにを捕っている人と遭遇。そこでもちょっと立ち話をしてから、ようやく登り始めた。こうして寄り道して、無駄話をしてから山に登るのも楽しいものだ。山に登るという緊張感が緩和されるからだろう。
 小さな山だが最初からけっこう急峻な坂が続く。いいトレーニングになるが、この表参道側の登りは入り口から山頂まで途切れることなく続く。かなりきつい山でもあるのだ。
 1時間15分ほどで山頂到着。昼には早いし、昼食は下山後、温泉で摂ることになっているので、すぐに下り始め、40分ほどで縦走を終え、ユフォーレ側に到着した。こんなに天気のいい秋の日曜日なのに登山客は一人もいない。
 温泉はもちろんユフォーレ。日曜日なので老若男女で混雑していた。汗を流して、そのまま施設のレストランへ。昼はここでラーメンを食べる。Sシェフはカキフライ定食だ。この頃は外食する機会がほとんどないので、外で食べるラーメンは「この上ないごちそう」だ。でも麺がかたくておいしくない。おいしくないが、どうにか特別感だけで、ありがたく食べ終わる。自分の人生ではもうラーメンは「ごちそう」になってしまった。少年時代と同じである。

backnumber  ◆ Topへ