No.178
海外遠征に等しい隣県の山
[崩山(青森県深浦・940m・2018年7月15日)]
 朝5時起きで久しぶりの山。それも青森県深浦にある崩山という940メートルの白神山地の北縁にある山だ。
 恥ずかしながら初めて聞く山だから、もちろん初めて上る山だ。あの十二湖を足下に望む山だが、十二湖じたい、この崩山の崩壊によってできたといわれている。
 有名な青池の横にある大きな「鶏頭場ノ池」を横目に大町桂月の句碑横の登山口を登り始める。天気は上々、曇ってくるのは午後からという予報だ。
 前半はずっと急登が続く。登山道の周りは密林風で眺望はほぼゼロ。うっそうとした森の中を歩くのは、好き。気分がいい。補助ロープを張っている個所が多いのは十二湖観光の客が軽装備で登ってくるから予防のためにつけたものなのかも。
 展望が開ける「大崩」までの途中にあるベンチのある休息所へたどり着くのに1時間半近くかかった。「大崩」までようやく半分だ。最初の目的地であるこのベンチまでが実に長い。

大崩から下北半島を望む

大崩れにいたカモシカ(Sシェフ撮影)
 694メートル地点にある「大崩」までいって、そこから十二湖、下北半島を眺望する。もう少し登れば崩山山頂なのだが、山頂まではまだ40ほど歩かなければならない。眺望がいいここ(大崩)の地点で引き返すことにした。先を行くグループも山頂の崩山(940メートル)まで行かずに次々と戻ってきた。
 久しぶりの山にしては難易度が高かった。でもいい汗をかいた。
 久しぶりの本格的な山(崩山)で、しかも青森県なので緊張も一入(ひとしお)。観光地(十二湖)の山なので若い登山客がいっぱい。彼らがキャポキャピ騒いでいると苦しい急登も遊園地のような気分にさせられる。
 日本中が豪雨と酷暑でニュースになっているなか、密林のような森の中で無心に自分と向き合う静謐な時間を自然から頂いた。これはシャバではなかなか味わえない。青森県の山というだけで、私にとって気分はほとんど海外遠征である。また来たい山だ。

 温泉は秋田県側に入り、八峰町にある「ハタハタ館」。眺望のいい明るくて清潔な温泉だ。なんとなく気分がいいので、食堂に入ってラーメンを食べる。なんとなく普通の当たり前のラーメンが無性に食べたかった。おいしかった。満足。

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