No.165
わが体力の試金石の山
[太平山奥岳(1170m 秋田市――2017年5月21日)]
 毎日規則正しい生活を送っているから、山行のための早起きは、キツイ。毎日のリズムを崩してしまうからだ。さらに土曜日は朝から明日の山行のための準備に費やされる。前日に準備万端にしておかないと不安が消えない。早目に散歩を済ませ、暴飲暴食をひかえ、いつもより2時間は早く寝床に着く。でも結局よく眠れないまま朝を迎える。
 今日は太平山奥。3時間以上連続の登りが続くハードな山だ。最初の計画では宝蔵コースを登り、旭又コースを下山する計画だったが、暑くなりそうなので旭又コースのピストンに登山直前に変更になった。宝蔵は旭又より1時間は登りが長くなる。
 登山口の木橋が崩壊していたので迂回して登山道に出た。快晴で無風。ブヨのような大量の虫に苦しみながら3時間半の登りだった。奥岳の登りには「難所」と言われるようなところはない。ずっと急坂だけが続くのが厄介だ。ゆっくり、息を整え、マイペースを崩さず、辛抱強く登り続けるしか方法はない。昔から「太平山に登れれば後の県内の山はどこでも大丈夫」といわれている。トレーニングや試金石として重宝される山である。

山頂はもうすぐだ

山頂から見る眺望
 虫との戦いを続けながら、急坂や石や木の根っこむき出しの登山道が山頂までひたすら続く。2週間前、鳥海山を七ツ釜避難小屋でリタイアしたトラウマが残っている。今の体調の自分には太平山はかなり困難な山に違いない。でも、ここで安易にパスすれば、もう大きな山にチェレンジする意欲が永遠にそがれてしまいそうだ。その危機感もあって思い切ってチャレンジ、苦しかったがどうにか山頂に立つことができた。自信が少しだが蘇ってきた。それにしても虫除けスプレーを忘れたのは痛い。手首の4か所を虫に食われてしまった。
 温泉は「ざぶーん」。疲労の極致で温泉にはいると、出るころにはヨレヨレの身体が、シャッキと復調している。やっぱり温泉は効能があることを、自分の身体で認識する。
 山行後、近所にオープンしたレストランでカミさんと食事。こんなことも珍しい。このお料理にビックリ。ここ数年食べたものの中ではトップスリーに入る美味しさだった。

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