No.153
人のいない公園を黙々と歩く
[高尾山(424m・雄和町――2016年12月25日)]
 「靴納め」は終わったのにSシェフと今年最後の二人山。靴納めはあくまでモモヒキーズという集団の儀式だ。
 朝から猛烈な雪で広面は真っ白に雪化粧。これでは雄和の高尾山の登山口に車が入り込めるのか不安だ。ところが車を走らせると雪はどんどん少なくなり、登山口はほとんど雪がなかった。同じ秋田市とは言いながらも広面地区は昔の南秋田郡、市街地より圧倒的に積雪が多く、温度も1,2度低い「市内」なのだ。田舎に住んでいるんです。
 「山水荘」という立派なロッジ風の建物の場所からスタート。この建物には「坂本ファーム」の看板がかかっているが、誰も住んでいる気配はない。昔、鳴り物入りで中央からやってきたバイオ・ファームの研究者の研究室兼住居だったらしいのだが、音が消えるとともにどこかに消えてしまったようで、無人のまま。
 雪は思ったより少ないのだが小型キャタピラーが走った「わだち」があり、そこをたどって歩くしかない。雪はぬかるむからだ。これが実に歩きにくく疲れる。この山はクマもいない代わりに鳥も鳴かない。静かな上に人っ子ひとりいない。天気は晴れたり曇ったり。1時間モクモクとゆるやかな道を登り、ハイライトの神社奥宮入り口に到着。

神社奥宮入り口

山頂からの眺めは抜群
 ここからはひたすら急な石段を上る。いつもなら雪が深く石段は消えて斜度も上がる。そこをスノーシューで上がっていくのはけっこうしんどい雪との戦いだ。でも今日は雪がなく石段もむき出しで歩きやすい。山頂まで1時間40分。下りの四阿やでランチ。いったん立ち止まると身体は急速に冷えてくる。やはり山の冷気は侮れない。<
 温泉は雄和ふるさと温泉「ユアシス」。露天風呂もなければ清潔感もいまいち。地元の人たちの温泉場そのもので、外から入りに来るほどのところではない。泥っぽい色をしてぬめりのある泉質なので、たぶん身体にはいいのかもしれない。温泉は清潔、広々、脱衣場が広く、かつ、混んでいないのがいい。そんなところにはめったに当たらない。

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