No.144
靴づれ・キジ撃ち・川歩き
[赤水渓谷(森吉町――2016年8月19日)]
 今日は山登りではなく渓谷歩きだ。「桃洞の滝」で有名な森吉山麓にある川を遡る。桃洞の滝の分岐から4キロ以上、川の中を上るコースだ。兎滝と呼ばれる場所が行き止まりゴール、全行程15キロ弱で内10キロが川の中だ。この日のために渓流用のシューズを購入(モンベルの1万円のゴム靴)。試し履きをする機会もなくいきなりの本番だ。これだけがちょっぴり不安。
 スタートは野生鳥獣センター。ケ―ブルテレビの取材陣が一足先に出発。Sシェフご夫婦と小生の3人組がその後を追う。深い森の中は木道が敷かれ、小川にはイワナたちが群れ、簡単に肉眼で目撃できる環境だ。分岐まで3キロ強は平坦な気持ちのいい道が続いた。この分岐でS夫婦は登山靴から渓流用ゴム靴に履き替える。こちらは最初から渓流靴のまま。川でなくともけっこう歩き心地がいいのは予想外。
 分岐から川沿いの山道をしばらく歩き、そこから川に入る。暑くも寒くもない、絶好のコンデションだ。川に入って渓流シューズの水はけのよさに驚く。通気性もあり軽くて蒸れない。それでも数キロ歩くと靴づれがひどくなった。不安があたった。素足がよくなかったようだ。Sさんから靴下を借り、患部に絆創膏をはり、気を取り直して進む。これだけ山の深部に分け入ると、どこからクマが出てきても不思議ではない。砂地には点々とタヌキのものらしい糞と足跡がついていた。笛と鈴は欠かせない。気持ちがいいけど気味が悪い。
 ゴールの兎滝までは3時間弱。登りはほとんどない。滝の流れがウサギの形に見えることから名付けられたようだが、水量が少なくどの角度から見てもウサギには見えなかった。

これが渓流シューズ

兎滝でランチ。ウサギに見える?
 兎滝でランチ。今日も自家製弁当だが、あまり食欲ない。靴づれで消耗したせいだろうか。
 往路、腹痛がひどくなりキジ撃ち。これですっきりしたが靴づれの痛みは続いた。川を上がってからの3キロの陸路の木道歩きが一番きつかった。
 それでも総体として気持ちのいい川歩きだった。最も深い部分でもひざ下。間近でイワナたちをいくらでも見ることができる。
 初めての本格的な川歩きには大満足。来年からももっと暑い時期を選んで歩いてみたい。ちょっとクマが怖いけど。
 温泉は「国民宿舎 森吉山荘」。建物も浴場も清潔でシンプルで好感が持てる。露天風呂も泉質も温度も申し分なし。でも客がほとんどいない。これもいいのだが、こんな状態で経営的に大丈夫なのだろうか。他人事ながら心配になる。

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