No.123
定番スノートレッキングの山
[大滝山(206m・秋田市――2016年2月7日)]
 毎年決まってこの時期に大滝山自然公園用水池周りをスノートレッキングする。今年は雪が少ない。それでも用水池には氷が張り小動物の楽しそうな足跡が縦横に残っていた。
 ここは秋田市の郊外にあり、景観もよく、四阿もいたるところに整備され、交通の便も悪くない冬専用の人気のスポットといっていい。雪のない期間もハイキングにはいい自然環境なのだが、いかんせんクマのメッカでもある。おまけにヒルまで多発する。市民憩いのハイキングコースとして整備したものの、クマやヒルのことまで考えていなかったのだろう。皮肉にも雪のない季節は逆に敬遠する人が少なくないコースでもある。
 というわけで、冬トレッキング専用コースといってもいい公園なのだが、今年は雪が少なく、山頂付近以外はツボ足でも大丈夫だった。毎年、登山口のある温泉からいきなりスノーシューを履いて歩きだすのだが、ツボ足だと疲労度はずいぶん違う。慣れ親しんだコースなので分岐があるたびに寄り道し、ミニ冒険を繰り返し、できるだけ歩いたことのない新鮮な道を選び、ゆっくり時間をかけて山頂を極め、大滝のある四阿に降りてランチ。

用水池は凍っていた

山頂で
 冬はガスバーナーの出番だ。雪上ハイクには温かいものが必需品だ。
 最近のお気に入りはカップめんの「日本そば」。誰かが必ずトッピングのキャベツやネギを持ち寄ってくれるのがうれしい。カップめんに熱々の湯を注ぐのではなく、コッヘルにカップの中身を入れ替えてグツグツと煮込んで食べるのが、うまく食べるコツだ。お湯を注ぐだけでは食べてる間にどんどんめんが冷たくなってしまうのだ。
 温泉は市内の秋田温泉。入湯料が500円以上の日帰り温泉は秋田では珍しいのだが、そのうちのひとつ。高いのに客がごった返しているのは秋田市郊外という環境のせいだろう。
 温泉に行くたび人が多いのに驚く。自分もいつかこんな人たちの仲間入りをして「時間つぶし」をするようになるのだろうか。そんなことを考えていると、身体は温まったのに心の底に冷たい風が吹き抜ける。
 家に帰ったのは午後3時前だった。冬場の山歩きは遠出や高山は避ける。そのため帰宅は夏場より2時間は早くなる傾向がある。実に中途半端な時間に帰宅することになるわけだ。時間を持て余し、駅前まで散歩。山を歩いて、それでも足らずに街を散歩する。ほとんど「歩く変態オヤジ」だ。

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