No.111
1か月ぶりの山歩き
[乳頭山(1477m・大仙市田沢湖町――2015年8月9日)]
 前回は7月5日の秋田駒ヶ岳だから1か月ぶりの山歩きである。この10年、最低でも月に2回は山に出かけている。1か月間も山を休んだのは……記憶がない。緊張する。予想通り前の晩はよく眠られなかった。困ったことに極度の小心者である。乳頭山は何回も登っている。難易度もたいしたことがない。それがわかっていても山行前日になるとコーフンするのか、不安になるのか、目がさえて眠られなくなってしまう。目下の山登りの課題はこの前夜の睡眠である。どうすれば前日熟睡ができるだろうか、真剣に検討中だ。
 山に行かない日曜日というのもそれなりに楽しい。山も毎週ともなるとプレッシャーや苦行が潜んでくる。身体は声にならない悲鳴をあげ、心は「休みたい!」とつぶやき続けていた。だから山に行かないだけで身体は喜び、勝手にリラックス。面白いことに体重も落ちはじめた。暴飲暴食には日常的に気を付けているが山の日だけは例外だ。これがよくなかったのだろう。いくら節制しても体重は減らなかった。山行がなくなったら途端に体重は落ち始めた。
 山は晴れ曇り。蒸し暑くて2リットルの水を消費した。
お馴染みの乳頭山と言っても今回は大釜温泉横をスタートして蟹場分岐を抜け、田代平から山頂へ。下山は黒湯分岐から一本松温泉を通り、黒湯に降りてくる周回コースだ。登りの蟹場コースは初めてだ。黒湯とは違い距離が長い分、急峻な山道のないなだらかな登りやすい登山道が続いて気持ちがいい。田代平山荘でトイレに入ったが、その汚さにほとんどの人が便意が引っ込んだほどだが、こちらは慣れたもの。紙がなくても水がなくても、もうどんな場所でもキジうちは慣れたものだ。って自慢にもならないか。

田沢湖を横目に見ながら

山頂は曇っていた
 久しぶりの山行なので、なんどか軽く足首をひねった。1か月山に行かないだけで身体の小さなパーツはさび付き始めている。これだと2か月山をやめると確実に怪我を呼ぶのは間違いない。いつもながらこの山は登りよりも下山がしんどい。暑さの中の登山は猛烈に体力が奪われるから油断は禁物だ。
 温泉は初めての田沢湖・水沢温泉にある「駒ヶ岳温泉」。名湯と言われる鶴の湯が経営する分館のような温泉だ。すべてがシックな木造りで、いつもの日帰り温泉とは雰囲気がまるでかけ離れている。上質でシック、そのうえ格式まで感じさせる県内ではトップクラスの温泉で、いうことなし。この周辺に来たらここが一番押し。欠点は露天風呂にアブが跋扈していることだが、これだけは温泉の責任じゃないしね。運の悪いことに腕と足の2か所をかまれてしまった。

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