No.102
初めての山は緊張する
[龍馬山(340m・秋田市――2015年4月26日)]
 初めて登る山は緊張する。それもメンバー全員が初めてというのだから、ペースもつかめない。
 秋田市上新城にある龍馬山(りゅうばさん)は標高340Mの小さな山だが、なによりもロケーションがいい。秋田市郊外とは思えない桃源郷の田園風景を残す地域だ。山と川と田園と木々の色彩、それにまばらな民家のバランスがまるで絵に描いたように美しい。映画村にしてロケーションに使えるのではと思わせる風景だ。
 登った人も少なく、情報もほとんどないこの山に登ろうと決めたのはリーダーのSシェフ。Sさんの苗字が「坂本」なので、「この山が気になってしょうがなかった」ためだ。秋田県内には「坂本竜馬」にちなんで名付けられた山が他にもある。少しあざとい感じもするが、この山は「リュウバ」と読む。そのあたりも毅然として好ましいではないか。何よりも近場なので秋田市内だから気軽に行けるのがいい。
 藪が多く、足場も悪い。山道がないので藪漕ぎを覚悟して長靴に冬用の装備が適当かも、という意見が多かった。が当日は好天。春のトレッキング装備で十分だった。思った以上に山道も歩きやすく、整備されていた。この地域の人で、この山を愛する人たちが気持ちを込めて山の管理をしている雰囲気だ。
かなり急峻の続くハードな山だから侮るととんでもない目に合う。どこまで頑張れば頂上なのか、だれにもわからない。ペースがつかめないのも辛い。腕時計の高度計だけが頼りだ。
 苦戦の末、ようやく山頂が見えてきた。最初から最後まで急峻なのぼりの連続だったが、初めて見る景色に歓声を上がる。約1時間で頂上にたどりつくことができた。頂上は畳2枚ほどの広さしかない。地図では山頂高度が350mになっているのに山頂の木にはピンクテープが巻きつけられていて、山頂340mの表記が。どっちが正しいのか。

これが山頂の表記

昼食は登山口の河原で
 昼食は下山して登山口横を流れるきれいな白山川の河原で。ほとんどピクニック気分だ。水のある場所での昼食は心もなごむ。

 温泉は秋田温泉「リラックス」。3時前には家に帰りついてしまった。事務所でビールを飲みながら、コンビニで買ったおつまみ類で一息。夕食はもう食べられない。

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