353. 2025年10月16日ブーム
 チャプターズという会員制のオンライン書店が話題だ。月額2530円、本のサブスクサービスをやっている。月に一度、チャプターズが勧める3冊の本から、会員が選んだ1冊が自宅に届く。チャプターズ側の選書の基準は、「冒頭100ページで没頭できる作品であること」と「文庫本であること」。会員に勧める際はあえて本のタイトルや著者名は伝えず、内容が書かれた推薦文だけで、読んでみたい1冊を決めてもらう。「人に勧められる、普段自分では選ばないような本が読める」ことが最大の魅力だという。開始から4年で利用者は8000人超。これがビジネスとして成り立っているのが不思議でならなかったが、このサービスの最大の特徴は別にある。毎月、同じ本を読んだ男女を集め、本の感想を言い合うオフ会(合コン)を開催する。異性との会話が苦手な人でも「同じ本の感想を言い合う」というお題目があるため、会話が続くという。これまで6組のカップルが結婚している。
 経営者は30代の女性。美術館やギャラリーなど、ちょっと変わった場所での「読書会」を仕掛けてきた人だ。秋田市でも、読書会や、シェア型書店、古本市などのイベントが増えてきている。そのほとんどが、女性の主催者だ。
 本を取り巻く世界はこうしたイベントや独立型書店の出現で少し変化が起きている。これが希望となるのか、いっときのブームで終わるのか、その境目は紙一重だ。
(M)