向田邦子脚本の「阿修羅のごとく」を観た。もちろん、これまで何度もリメイクされた映画やドラマは全部観ているが、1979年、NHKが連続ドラマとして放送した初期作ははじめてだ。4姉妹は上から順に、加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、風吹ジュン。八千草薫の夫役に緒形拳、姉妹の父親役は佐分利信。風吹ジュン以外は皆鬼籍に入っている。ストーリーはすでに何度も観て知っているのだが、やはり、リアルタイムに撮影されたこの初期作が、時代背景や演技に無理がなく、一番面白い。
阿修羅のごとくの4姉妹にキャスティングされる女優は、その時代その時代を代表するトップ女優だ。
最新作は今年1月にNetflixで公開された。是枝裕和監督作品だ。長女を演じたのは宮沢りえ。私が物心ついて初めて「女優」というものを認識したのが宮沢りえだった。たしかその当時、宮沢りえは中学生で、学校を相手に七日間戦争していた。あの中学生が今では竹沢4姉妹の長女・綱子だ。そう考えると、なんだか不思議な感覚になると同時に、自分自身も確実に歳をとっていることを実感させられる。
(M)