164. 2022年1月18日 目から鱗
 風速35m。猛吹雪。一冬に2?3回こういう天候の日がある。外出などせずに、家でじっとしてればいいのだが、こういう悪天候にこそ心躍らせ、散歩にでる人たちがいる。かくいう私もその一人だ。なんとも形容しがたいワクワク感とちょっとした背徳感がある。そう言う感情に後押しされて散歩にでるのだが、一番困るのは目を開けていられないことだ。凄まじい勢いで雪が吹きつけてくる。顔全体をカバーできるニット帽をかぶってはいるが、目だけはカバーされていない。この問題がどうにかならないかと頭を悩ませていた時、その答えが前方から歩いてきた。普通、目も開けられない吹雪の中を歩く人間は必然的に頭を下げながら歩いている。しかし、その前方から歩いてきた初老の男性はしっかりと顔を上げている。すれ違いざま横目でみると、なんとその男性はスキー用のゴーグルをしていた。まさに目から鱗。スキーゴーグルはなにもスキー場だけでつけなくてもいい。その手があったか。その初老の男性に心の中で拍手を送った。
 ああ、次の吹雪が待ち遠しい。
(M)