112. 2020年11月28日 クマ出没注意
 秋から冬にかけて、いたるところで、「クマ出没注意」の看板を目にする。それらの看板に載っているクマはだいたいが手描きだ。中にはそのイラストが明らかにツキノワグマではなくヒグマだったりするものもある。イラストの多くは牙を剥きだしたクマの顔だ。
 先日、男鹿の真山に登ったとき、登山口に「クマ出没注意」の看板があった。これまで「男鹿地域にクマはいない」とされてきたが、数年前からちらほら目撃情報もでてきて、今や確実に生息していることは明白だ。その看板に使われていたのが、ツキノワグマを専門に撮り続けているカメラマン・加藤さんの写真だった。ヤブから出てきたクマの全体像を写した平凡な写真で、牙を剥き出したような恐ろしいものではなかったが、そっちのほうがよっぽどリアルで、「クマに遭遇しませんように」と心から願った。
(M)