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![]() 2012年4月26日(木):樹林招鎮→響沙弯→包頭→北京
![]() モンゴルの草原を、バイクや馬で走ることは出来なかった。それなら砂漠でラクダに乗ろうと響沙弯に向かった。ホテルから国道G210で15Kmの砂漠で、風で砂が鳴ることからこの名がついた。タクシーの中、「鳳凰伝奇を知ってる?」とダンナが運転手さんに聞いたら「アッハン」との返事。「五歳の私の子は、携帯に入れてこの歌を聴かせると、アッハンと応えるんです、大好きですよ」。これは鳳凰伝奇の「郎的誘惑」という歌だ。鳳凰伝奇は男女のデュオで男が「娘子(ニャンズ)!」と呼びかけると「アッハン!」と女が答える楽しい歌。 ダンナは中国から彼らのCDをいっぱい買ってきて車に入れている。分類は「民歌」に入るけれど、リズムも良くてポップスに近い。中国民歌といえば男は軍服、女は民族衣装を着て歌うのが普通。このデュオは男がモヒカン刈に革ジャン、女は鼻ピアスに何処のものとも分からないような衣装で歌う。そして民謡の中にラップが混じる。しかしこの女性は実はモンゴル族で、圧倒的声量と素晴らしい歌唱力の持ち主だ。 「日本もモヒカン刈、革ジャンの民謡歌手が、ラップを入れて民謡を歌ったらいいのにな」とダンナは恐ろしいことを言う。中国の民歌はチベット、モンゴルの草原を高らかに歌うものが多い。新しい曲もCDも出て、中国では民歌は大人にも、子供にも人気が高い。 今日はかなりの強風で、空は黄土色に薄暗く煙っている。入場ケーブル券120元(1,680円)を払い、駐車場からケーブルに乗って砂丘に入る。時々横殴りの強風が吹き、舞い上がった砂粒が顔や手に当たるとかなり痛い。足には靴の上からひざまで、すっぽりと厚いカバーに包んで縛る。顔は大きなスカーフで包み、サングラスをかけると、私もアラビアのロレンスにみえる。 砂漠専用車に乗り、砂丘を幾つも越えて奥に入ると、ラクダ園がある。ラクダ方さんが「しゃがんで!」と指示すると、膝をつきコブの間に座る。「立て!」の指示で立つとこれがすごく高い、ラクダは足が長いのだ。ラクダ方が手綱を取って目的地までたっぷり歩き、最後ちょっとだけ走ってくれる。私達を降ろすと、ラクダ方がラクダに騎乗してラクダ園に帰ってゆく。 ひょいと後ろを振り返ったら、すごい速さで砂の上を駆けて行く。「月の砂漠のラクダ」はゆったりだけど、本当はサーベル振り回して乗る、戦闘的乗り物なんだ。次に開拓列車のようなものに乗って出発点まで戻った。砂漠の乗り物3種セットで120元(1,680円)、面白いけれどお金がかかるようにできている。
中国西部の砂漠地帯から、日本に飛んでくる黄砂は、直径が2〜5μという。人の髪の毛が直径80μ、スギ花粉が30ミクロンだから、黄砂は本当に微細な粒子だ。この微細さからいったん舞い上がると、大気中に長い間留まる事ができる。砂漠を通過する低気圧が、むき出しの地表から黄砂を大気中に巻き上げ、上空の偏西風にのって海を越え、日本にやって来る。 中国では砂漠の面積が国土面積の30%を占め、中国全体の農耕地面積より大きいといわれる。しかも乱開発、乱伐採、過放牧、温暖化などで砂漠化が進んでいる。実際シルクロードをバイクで走った時、乾燥に強いラクダ草でさえ、赤茶けて枯れているのを見た。 包頭から固陽県に向かう道で、お義母さんは寂しかったろうと感じた。日本から来ると、不思議なのは山に木がない。日本はどの山を見ても、当たり前に青々と木が生えている。しかし海外にゆくと、これは当たり前ではない。そんな中、内モンゴルに日本から植林にゆく、NGOグループが幾つかあって、すばらしい活動をやっている。日本の植林技術で、モンゴルの山を緑に変えるなんて、お義母さん達がきっと喜ぶだろう。 包頭発21時40分の飛行機で北京に行き、翌日7時35分の便で仙台に帰る。お義母さん達が遠い内モンゴルの地で、慣れない食べ物、厳しい気候のなか、戦争や病気を乗り越え、二人の子供をもうけた新婚生活、その面影を少しは感じることができた旅だった。 |
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