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![]() 2009年10月3日:臨沂市→曲阜市
予定走行距離188Km 、予定走行時間 5.7時間 ![]() 8時に出発したけれど、午後1時には町の入り口に「詩書之府」と書かれた大きな門に迎えられ、「曲阜(チーフ)」の町に着いた。実際距離も162Kmと地図で調べた距離より短い、新道を使ったせいかも知れない。ホテルを決めるのにやはりひと悶着あった。曲阜はさすがに観光地、新しくて立派なホテルがあちこちにある。けれど歴史の町、中華文明思想発祥の町の一つに来たのに、近代的高層ビルのホテルはしっくりこない。 結局「孔廟」のすぐ隣にある、由緒正しい「闕里(チエリ)賓館」にした。闕里とは孔子様が住んでいた地名とか。何より中国式建築の外観に目が眩んでしまった。1泊780元(10,140円)と言われて、尻込みするダンナに「私、一度は中国式のホテルに泊まりたかったのー」とゴロゴロ喉を鳴らし、フロント向いて「お願いだからもっと安くして!」と頼み込んだ。 やっと予算の2倍600元にしてもらい泊まることになった。汚い格好とバイクで来たのを見て「あんたら場所間違えてない?」という顔をされたけれど、日本のパスポートを出したら、噴水のある中国式中庭が見える二階の部屋にしてくれた。中国でも日本の赤いパスポートは信用がある。 曲阜市は人口30万人と書いてある「郷級市」、30万人といえば日本では大きな市になるけれど、市街はひいき目で見ても7万人くらいにしか見えない。ほとんどが孔子様に関係した観光の町らしい。このホテルの立地は抜群で、隣が「孔廟」、裏が「孔府」、その先が「孔林」で、この3箇所をあわせて、1994年に世界文化遺産に登録されている。 荷物を置くなりさっそく孔家歴代の墓がある「孔林」に歩いてゆく。両側にお土産物や、食べ物を売る店が並ぶ中、直線の長い参道が続く。周りを見ると観光客の中に、串にさした緑色のものをかじりながら歩いている人がいる。「あれは生ダイコンだよ、皮だけじゃなく中まで緑色で、さっぱりして美味しいんだ」とダンナは言う。よく見ると長さ7cmくらい、皮も剥かず輪切りにして切り目を入れただけを串に刺している。「いまはダイコン、茹でトウモロコシだけど、夏はキュウリをかじりながら歩いている人もいる。それと果物ならパイナップルの串刺しが人気」。 見ていると美味しそうだけれど、日本人には生野菜や、果物でも包丁が入ったものを観光地で食べるのはお奨めできない。どんな水で洗っているかわからない。日本人はきれいな水と、清潔なものばかり食べているから、雑菌に対する抵抗力が弱い。せっかく美味しいものを食べに中国に来ているのに、お腹をこわしたら口惜しいもの。 巨大な城門を抜けると、宋代、元代に植えられたという柏、松の巨木が両側にそびえる「孔林神道」という道が続く。広大な敷地に孔子直系の子孫、およびその家族の専用墓地が広がり、十数万余のお墓がある。孔子様は紀元前552年生まれだから、2500年以上これだけの墓地が守られてきたというのも、立派を通り越して恐ろしい。 大勢の観光客と一緒に、まずは孔子様のお墓にお参りする。その後、左に行けば明代墓群、右に行けば清代墓群とか書いてある。この広さ、どこを見ようかと思っていたら、ダンナがお腹の調子が悪いからホテルに戻ろうという。それならと出口に戻り、三輪自転車タクシーに乗った。この運転手は他の人が城門の外で客引きしているのに、中まで入って私をつかまえた。ホテルに着いたら、10元の請求に20元札しかなく、お釣りをもらおうと、20元を渡したら「謝謝!」とニコニコ顔でサッとしまい込んだ。ダンナが「え!あのー!」とトロトロしているうちに行ってしまった。二人の顔を見比べて、あっちはきっと家が建つだろうと感心する。 シャワーを浴びて復活すると「孔府」へ。ここは孔子直系子孫の住居で、主に明、清時代に建造されたもの。皇帝からのお使いとか偉い人を迎える建物、お付の人が控える部屋、謁見する堂など、案内書によると463の楼、庁、堂があるという。確かに本物の風格もあるし、磨り減った敷石も年代を感じさせる。ただ…ゴチャゴチャ多過ぎて、皆同じに見えてしまう。 夕方からはそれほど大きくもない土産物街をブラブラした。1、2軒のぞいている内に暗くなり、潮が引くみたいに観光客がいなくなってしまう。それと一緒に客待ちの観光用三輪自転車、飾り馬車、電動自動車も消える。賑やかだっただけに急に寂しくなる。大きな城門をライトアップしているのも空しい。やはりここは孔子様の教えがゆきわたり、礼儀正しく品行方正で、夜遊びなんてしてはいけないのかも知れない。 これは食べるしかないと、韓国料理と書いてある店に入った。ところが入口は分かれているのに、郷土料理の店と中が繋がっていてメニューが両方ある。頼んだものがとても韓国料理とは思えない味付け。豆腐料理は隣のテーブルが頼んだ郷土料理とほとんど同じなのに、別の名前で出てくる。韓国冷麺なんかまずくて胸が悪くなりそう、それでも値段だけは観光地らしく立派なもの。2日目の夕食は大ハズレ! でした。
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