2024/07/22
 朝日新聞の夕刊に、都心でも買物難民が増えているという記事が載っています。高齢化社会の現実をありありと写し出しています。東京の都心部でスーパーや鮮魚店の移動販売車が急拡大しています。都によると移動販売車が廻る都営住宅はこの数年で増えて2019年度の11ケ所から、今年4月時点で110ケ所に。23区内が約6割を占め、港区や世田谷区にもあるそうです。移動販売車を展開する徳島本社の「とくし丸」(1000台以上を展開)にも都内からの問い合せが増えていて、14年は4台だったのが、今年は4月時点で48台。多くは高齢者の個人宅をまわるが周辺の住民も集るそうです。新宿の早稲田や高級住宅街の玉川(世田谷)にも走らせているといいます。都内の幹線道路は横断する距離が長く、青信号の間に横断歩道を渡りきれない高齢者も多く「河」とも呼ばれ、難所になっているそうです。杖をついて5分ほど歩くのがやっとの老人。「道中の安全の不安から」買物がおっくうになる高齢者の増加なども多く、支援が必要と言います。ドラッグストアー大手の「ウエルシアホールデングス」は今後
 200台に拡充予定。コンビニ大手の「セブンイレブン」も専用車両125台が稼働。23区内でも3台がスタートしているという。車も利用できない65才以上の高齢者は20年時点で全国に904万人。そのうち、東京・大阪、名古屋の3大都市圏は414万人と約5割を占めるので事態は深刻です。歩けない、歩くのがつらい高齢者は、団塊の世代が後期高齢者になり、まだまだ今後も増えるでしょう。これからどんな買物社会を迎えるのか、関心を払わざる得ません。

●ユネスコ遺産登録申請で再度問い直される、佐渡金山における韓国・朝鮮人強制労働の実態を改めて公けします。佐渡鉱山・朝鮮人強制労働資料集編集委員会編「佐渡鉱山・朝鮮人強制労働資料集」1,800円 神戸学生青年センターは、その歴史を辿り、91・92年に行われたの被害者佐渡集会資料や韓国現地調査で語られた証言・強制労働に従事した人々の名簿、そして今後の調査と課題などを浮き彫りにします。ISBN978-4-906460-70-0

●九州南部に多く残されている「田の神様」の研究に新たな地平が切り開かれました。永田政幸著「田の神図録−江戸期の田の神621体を追って」2,000円 南方新社は、江戸期に作られた薩摩、大隅、日向国の621体の神像を特定し考察します。定説を14年もさかのぼる上山田有村の田の神像(元禄4年・1691年)を初めて紹介。ISBN978-4-86124-513-8

●小さい頃から動物の絵を描くのが好きで、現在は絵本作家として活躍する、たるいし まこさんの<ぷーちゃんえほんシリーズ>が3点出ました。ぷーちゃんがヨーグルトを食べようと「まぜまぜぷーちゃん」(ISBN978-4-910310-05-3)、ぷーちゃんがおかたずけを…「ぽいぽいぷーちゃん」(〜06-0)、ぷーちゃんがみんなをだっこして…「だっこだっこぷーちゃん」(07-7)各1,000円です。

●大山・塔ノ沢・丹沢山・蛭ケ岳。全130コース。1/16,500尺。守屋二郎作成・解説・踏査「新訂改版 東丹沢登山詳細図」1,200円 吉備人出版は、ベース図を第二東名記載の新電子地形図に一新。変遷した既存コースの再踏査、新たなラインに付け替えられた既存コースの踏査を行い最新の登山道状況を記載。ISBN978-4-86069-716-7

●令和5年に73才で病没し、若き日に東映任侠映画を愛した著者が40年にわたり書き綴った映画論考。鈴木輝夫著「若き日の映画への熱狂−わが菊池浅次郎、私もあなたのようになりたかった」1,800円 ごまめ書房がとり挙げている作品は、「血槍富士」から「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」など。俳優・監督は鶴田浩二はじめ若松孝二、加藤泰など。ISBN978-4-902387-40-7

●短歌集「夜中にミシンを踏みながら」から9年、相変わらずミシンを踏みながら短歌を詠む日々を綴るエッセイと短歌。間野菜々江著「てのひらを差し出す」2,000円 吉備人出版は、「てのひら〜」刊行時は、乙女のようだった女性が、乙女の心を失うことなく真剣に日々を重ねかさねて自己を確立してゆくまでのノンフィクションのドラマ。
ISBN978-4-86069-742-6

●フランスの数学者ブノワ・マンデルブロより始まる幾何学の概念で、図形の部分と全体が自己相似なっているもの。誰もが知っているマンデルブロ集合から、ちょっとマニアックなものまで様々なフラクタル画像集です。縦横1万ピクセル超の高精細画像で製版機と印刷機の限界に挑んだ、TokkusiN著「印刷限界に挑むフラクタル画集」385円は、暗黒通信団から。ISBN978-4-87310-282-5


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