新刊抱き合わせ増刷計画


 また変なことを考えてしまった。というかほかの版元でも実践済みなのかもしれないが、新刊を出すときに、その著者の絶版になっていた既刊本もあわせて増刷してしまうという方法で、これはどんな本にも有効とは限らない。前に出した本が少部数ですぐに品切れになり増刷をするほどの需要を認めなかったか、あるいは金銭的事情で増刷をとりやめたもの、そしてなによりも内容が納得のいくものに限定される。
 今回は10年前にだした佐藤正先生の「村の文化誌」(品切れ)の続編「村の生活誌」が出るので、それにあわせて表紙、カバーも統一リニューアルして2冊を同時に刊行することにした。以前に比べれば本を作る技術そのものがレベルアップしているし販売促進も長足の進歩がある。佐藤先生に続いて新刊「秋田何でも知り隊」(読売新聞秋田支局編)には「あきた雑学ノート」(同編)、それとHPに連載中の「あきた夜這い・艶笑譚」の発売にあわせて品切れになっていた「あきた千夜一夜」「あきた小噺・嫁いびり編」を2冊同時に増刷して『あきた風流「艶」ばなし』3巻本としてリニューアルスタートをさせる予定である。これらの計画が成功すれば新刊が出る度にそれと内容的に似通った、あるいは同じ著者の品切れ本を続々と復活させることができるわけだ。
 近々出る新刊に佐藤晃之輔「秋田・消えた分校の記録」という本がある。これも以前「秋田・消えた村の記録」という本を出している著者なので、あわせて増刷と思ったのだが、まだ50冊ほど在庫があることが判明。これもなかなかいい本だったが実は定価設定が高すぎて(3600円)売れなかったもの。定価を半分にすれば間違いなく売れるから今度は上製を並製に変えて定価も安くして増刷という前に本を買った人には申し訳ない強硬手段をとることになりそうだ。30年近くも本を出していると同じ著者の本が年々多くなっていくから、こうした本の「積極的資源再利用計画」はおもしろいかもしれない。


Topへ