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緑の中にウメバチソウの白が点々と散らばっていたが、そこには、まるで修験者の姿を彷佛させる厳しさのようなものが漂っていた。白はあたかもどんな色でも受け入れるような寛容さを思わせる。しかしそれは大きな間違いだ。例えば私が絵を描く時、真っ白な紙に最初の色を落とす瞬間、いつも言いようのない不安に襲われる。白いちいさな世界が私の選んだ色によって別の世界に変わるのだという興奮にも似た緊張感、色によって新しい生命を与えるのだという喜びと同時に、ひょっとしたらこの白に取り返しのつかない死をもたらすかもしれないという恐怖に近い不安感である。そしてその後に、ほとんどは悔いと失望の念が私の心をよぎっていく。
(本文より一部抜粋) |