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空を青い雫がしたたり落ちるような色に塗りつぶすには青い絵具がまだ足りませんでしたし、白く小さなマシュマロの雲を空いっぱいにまき散らす程の量をつくるにはまだまだでした。ハクサンフウロなどはまだついこの間新しい服が出来上がったばかりだというのにこれだけで夏が終わるのだとしたら、これまでの苦労はどうしてくれるのだと目をひきつらせている様子でした。秋の花たちにしても、自分たちの季節が長くなるのはいいことなのですが、それでは夏の花たちに申し訳ないと、早い秋の訪れに迷惑そうな感じを隠そうとはしませんでした。けれどもそれは、今年の夏があまりにも素晴らしかったので、秋はきっと夏にジェラシーを感じてちょっと嫌がらせをしたのかもしれません。だから本当の秋はいつもの頃にやって来るにきまっています。
(本文より一部抜粋) |