ノンフィクション
2014年刊

一粒の米もし死なずば
深沢 正雪(ふかさわ まさゆき)
A5判・219頁 定価1900円+税
ISBN 978-4-89544-589-4

サンパウロから南西に約200キロ。1910年代に日本人移民によって開拓されたイグアッペ植民地の中心地域レジストロ地方。そこは食糧不足の明治・日本に米を供給するための移住地だった。波乱万丈の苦闘の歴史から百年後の到達点まで、南米に根を張った気骨ある明治の日本人の舞台裏にせまる渾身のノンフィクション。
冊数

前史編 ――――――
金属版に込められた想い
「伯国のナイル河選民」
知られざる青柳の前歴
ペルー、フィリピン経て
失望のフィリピン、ブラジルへ
人口超過と食糧保障から米作植民地に
黒幕は大浦兼武農商務相
小村外相の大反対で頓挫
日露戦争との隠れた繋がり
亜国が巡洋艦2隻譲る
日露戦争は移民史の転機
ルーズベルトとブラジル
日露戦争大歓迎した伯国
国権論者からの太い流れ
衰退期だったイグアッペ
青柳の南部3州視察の渾身ルポ
ドイツ植民地に触発され
北米大企業家が投資する地
南部に延びる鉄道構想
深く肩入れする渋沢栄一
高橋是清も株式会社に参画
満漢政策が嫡子≠ネらば

戦前編 ――――――
秘められた移民史の暗部
抹消された輪湖俊午郎
柳沢祖父「青淵」とは誰か
コンテスタード戦争の勃発
回り始めた巨大な歯車
バガブンド≠ェ先駆者に
初植民地に満ちる明治の気魄
初物づくしの桂植民地
日露戦争従軍者が多く参加
平野、上塚植民地創設の素因
青柳は日本政府の手先か
「さあ本番」なのに、渡航中止
手を焼くイタリア移民のスト
排日の北米を見限った輪湖
いよいよ本格入植の開始
300家族募集にたった4家族
伯剌西爾拓殖から海外興業へ
満韓か、南洋か、南米か
16万キロ歩いた南米浪人♂ェ田
明治の遠大な旅路の終着点
信州から続々と草分け入植
海興が実権握る前に自治を
米騒動と米作移民の知られざる関係
3度目の移民途絶とレイス法案
輪湖、海興本部を訪ねる
海興は満州の東洋拓殖と同列
13年振りのふる里に失望
続々と発足する自治組織
草分け時代の痛快な青年ら
赤間学院の原型は4部学校
奥地の同胞が羨む水郷の暮し
「宣伝に偽りあり」夜逃げ続出
珈琲帝国≠ノ紅茶の都
革命から生れた岡本紅茶
大戦余波で鉄道延長が中止に
地図上の一本の線
北パラナへ移転する流れ
関東大震災で国策移住に
苦難のセッテ・バーラス
「もし北パラナだったら…」
さらに山奥のキロンボ
ノロエステに向かう脱耕者の流れ
輪湖、永田稠と焚火の誓い
国士的情熱で長野県人が団結
アリアンサ移住地への熱い誘い
海興から手を引く青柳、水野
軋轢を生む外務省と内務省
まるで内地のような植民政策
平生、通商強化で関係再編目指す
最古の日系カトリック教会
本間剛夫、日本初の勝ち負け小説
教会が醸し出す融和の雰囲気
台頭する二世の伯国寄りの視点
二世は「明日のブラジル市民」
南聖で日系社会初の写真帳
バストス写真帳後、祖国引揚げ
野球チーム育て無敵ミカドに辛勝
基幹作物探して試行錯誤続ける
大英帝国の裏をかき種持ち出し
黄金郷と化した紅茶の都

大戦編 ――――――
国際協調的な南進論の流れ
国交断絶で、早々と敵国人扱い
東宮少佐が永田稠を「国賊」呼ばわり
ドイツ潜水艦攻撃で死者1千人
聖州海岸地帯に強制退去命令
あわや桂植民地も追放寸前に
なぜかイタリア系移民は退去不要
立ち退き令から特別に除外か
州農業生産の6割占めた日本移民
警察送りが居なかった謎
桂植民地にも勝ち負け抗争余波
「この道を通ったら殺す」

戦後編 ――――――
コロニア最古の連合青年会
サンパウロ州移民再導入の先駆け
転機となった1960年前後
飛躍的に発達するインフラ
「ブラジル紅茶」として輸出
家族が力を合わせて畳工場
南米最古の灯籠流し1954年開始
こだわりのパステル作り30年
紅茶産業に新潟県人の系譜
叩き上げの山本周作、世界相手に
町の経済を支えた紅茶産業
リベイラ河流域総合開発計画
海興職員の父「情熱もう一度」
『植民』編集部にいた石川達三
サッカークラブ創立に関わる清丸
80周年で復活する日本文化活動
バナナ王℃R田が誕生するまで
山田、盛和塾全国大会で最優秀賞に
全伯で唯一残る天谷製茶工場
復活の日$Mじて耐える天谷
百周年を機にリベイラ連合会
岐阜県中津川市と姉妹都市提携
核廃絶願って平和灯ろう流し
父が桂先発隊、子は最終居住者
南聖に地歩を築いた日系人
本間93歳で生涯最大の秘密吐露
開戦直前、工業用ダイヤを日本に密輸
戦中戦後なぜ迫害なかったか?
「あの戦争は世界の反対側」
感動の入植百周年記念式典で
中間層の重責担った親日ブラジル人
渋沢栄一の孫が桂植民地訪問
桂を苗床にした「一粒の米=v

参考文献 ――――――
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