本を読む
[2024/10/22,09:35:28]
夜の読書は高村薫「冷血」だが、あまりに凄惨な事件を描いている(予感)ので、途中で気がめいって、やめてしまった。日本では間違いなく最高峰に位置する社会派作家だが、テーマが暗すぎる。この陰湿で惨憺たる犯罪を描かせれば彼女に勝る人はいない。でも暗い。夜は、けらけら笑って読み終えるような物語で1日の最期を迎えたい。内館牧子さんの高齢小説のように。しかし手元には面白そうな本がない。こういった時の本選びほど難しいものはない。普段は事前に何かを期待して本を読むことはない。目的をもって読む本は大概外れる。こんな「本詰まり」(ふん詰まりみたいだな)になると、最近は出久根達郎の本に頼る。それも小説ではなくエッセイだ。出久根の本にまつわる雑感や古本屋の日常を読んでいると、心がほんわかしてきて、気持ちよく眠れるのだ。だからエッセイはほとんど読んでいるが、実は小説は一度も読んだことがない。最近、出久根さんの新刊と出会わない。お元気なのだろうか。
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