お金 [2026/03/05,09:59:50]
町に出るたびガソリンの値段が気になる。昔のように車で遠出する機会は少なくなったが、リットル80円の時代を過ごしたものとしては、リットル150円台に対し、いろいろ考えてしまう。80年代から90年代にかけてブラジルによく行っていた。だからかの地のハイパーインフレの現状を経験しているのだが、本当に一晩で物価が2,3倍になる現実にかなりのショックを受けた。数ドルのお札を両替をしたら、新聞紙で包むほどの分厚い現地紙幣を渡されたこともあった。現地の日系人たちは資産をドルに換え、日々を耐えていたが、自分の持っているトラベラーズチェックが「打ち出の小づち」のように思えたものだ。もしかすると近い将来、日本もあのブラジルのようなハイパーインフレが出来するのかもしれない。何とも嫌な世の中になったものだ。
新聞 [2026/03/04,10:04:16]
このところ大正生まれの私小説作家の本をよく読んでいる。この手の本に目を付けて、積極的に出版してくれる中公文庫やちくま文庫には感謝しかない。尾崎一雄や梅崎春生、古山高麗男、木山捷平……と言った作家たちの本が好みだが、昨日から富士正晴『不参加ぐらし』(荻原魚雷編)を読み始めた。書名が素晴らしい。編者の荻原氏は69年生だから私より20歳も下の人だ。富士は竹藪の庵にひきこもり、一歩退いて世の中を眺めた「竹林の隠者」といわれた作家だ。何もしない、という生き方が見事なのだが、そのくせ新聞を四紙も購読している。だから毎日、日本も世界もじゃんじゃん家の中に入ってくる。結構忙しいのだ。世間から距離をとっていても、新聞だけはちゃんと読んでいるというあたりが、昭和の文人だ。私の身近にもちょっと上の物書きの人たちには貧乏をしていても新聞だけは2紙も3紙も取っている人たちがいた。いまはちょっと考えられない「習慣」だが、イマジネーションの源泉が新聞、という作家は少なくなかった時代だ。
ZINE [2026/03/03,09:34:27]
唐突に「ZINE」を作ってみよう、と思いついた。ZINEは「マガジン(magazine)」の語尾を取った言葉で、ファンがアイドルなどの雑誌をつくるファンジン(fanzine)の略語として使われだしたもの。商業出版と違って、特定の出版社や編集者を通さず、自分たちのアイデアや表現をそのまま反映できる。若者たちにいま流行の表現の形だ。「それって、同人誌とどう違うの?」
とご同輩には言われそうだが、テーマもデザインも自由、1冊からでも作れる。写真や文章、イラストや漫画といったオリジナル作品を少数出版できる自由さがある。このHPに連載中の「拙者の散歩道」を小冊子にするには、ぴったしの「容れ物」のような気がしたのだ。長年、「大量に印刷しないといけない」「売れなかったらどうしよう」といった不安と戦いながら本を作ってきた。本を作り、それを売るのが私の仕事だ。そんな仕事から離れ、プレッシャーのない「遊び場感覚」でできる「本づくり」は、たまらない魅力なのだ。本当にやってみようかなあ。
マラソン [2026/03/02,09:07:11]
このところクズ・メールが少ない。いいことだ。毎日100通余は入っていたので、削除が朝の仕事だった。このところは10通単位だ。カンボジアあたりの犯罪グループの摘発と関係があるのだろうか。先日の東京マラソンを観て、確か第一回大会を実際に現場で観た時の臨場感がよみがえった。大きなスポーツ大会を生で見る機会というのはほとんどないのだが、あの時はたまたま東京にいた。驚いたのは、ランナーよりも車いす競技の車いすのスピードだった。あっという間に目の前を通り過ぎたので、これはなにかマラソンの前座の祭りなの? と思ったほどだ。同じころ、都内の大きな公園を散策中、練習中のランナーとぶつかりそうになった。相手がギリギリでこちらを避けてくれて難を逃れたのだが、そのランナーの顔を観ると、よくテレビで見るTという当時のマラソン日本記録保持者だった。スポーツではマラソンを観るのが一番好きだ。
「切り抜きの日」 [2026/03/01,10:14:24]
3月1日は「切り抜きの日」なのだそうだ。今日の新聞で初めて知った。1890年(明治23)に「日本諸新聞切抜通信」という切り抜き(クリッピング)会社が設立されたことから「制定」されたものだという。会社案内などを読むと、200近くのメディア媒体をチャックしてくれて、指定されたテーマの切り抜き代行をしてくれるという。料金は安いもので毎月1万5千円、7万円のコースというのもある。なるほど、こういうビジネスがあったか。もちろん個人で使うのはハードルが高い。ちょっとした企業なら、いくつかのテーマやトピックスの切り抜きを頼み、それを販売促進に役立てるツールにはなる。ビジネスには有効な戦術だ。日々のメディアの情報はほぼ使い捨てだが、これを丁寧にスクラップすると、誰も見たことのない景色が描かれた一枚の絵になる。そこまで至るためには毎日の地道なチェック&スクラップが必要だ。そう考えている企業は少なくない。もう少し若かったら仕事を頼んだかもしれない。
都市 [2026/02/28,10:57:21]
都市で生きるというのは、自分のできることのひとつだけを特化して生きること。会社員なら会社員、作家なら作家、芸能人なら芸能人。他のことは金さえだせば他人がやってくれる。それが非都市になると、「人間として持っている能力をいっぱい使わないと生きていけない」と書いていた作家がいた。この作家はもちろん都市で暮らしているのだが、地方では会社員なのに屋根の修理もするし畑もできる。そんな人たちへの敬意があるという。一つの能力を特化させ、それに頼って生きている都市人よりも、人間として広範な能力を身につけて生きている人のほうが、魅力的というのだ。逆に言えば都市というのは人間が一人で生きていく能力をどんどん奪っていく世界だ。なるほど。ちなみに私は、秋田に住んでいるが都市人のようだ。仕事以外は何もできない。
ボーッとする [2026/02/28,10:34:16]
ボーっとしている時間が増えてる! と感じることが多くなった。例えば朝起きるとき。起きる前に今日一日のことをシュミレーションするのだが、すぐに横道にそれ、考えは枝分かれして、収拾がつかないまま、時間が過ぎていく。いつも同じところで考えは止まり、また最初から同じ道をたどる。寝るときは、本を読んでいるからすんなり睡眠に入れるのだが、朝がいけないようだ。仕事をしているときも行動に移る前、段取りを頭で整理しようとすると、横道にそれ、段取りと関係ないことを考えだしてしまう。車の乗り降りも同じ。運転席に座ってエンジンをかけるまで、ボーっとしていることが多い。若いころはこんな悠長な時間はなかったよな、と考えれば、「老化現象」だと納得もいくのだが、心配なのは頭の中だけでなく、体のほうも反応は確実に鈍くなりつつあることだ。
眠れない夜 [2026/02/26,09:42:22]
一か月に一度くらい眠られない夜がある。たいていは「食べすぎ」の胸焼けが原因で、繊細さとは無縁なのが恥ずかしい。昨夜も一睡もできなかった。前の日にテレビで耳にした俵万智の、「母が言う〈もう充分に生きたから、早く死にたい〉はデッドボール 打ち返せない」)という短歌が、頭で鳴り響いたせいだ(歌が正確かは自信ない)。その直前に観た黒澤明の映画『生きる』の影響もあったのかもしれない。俵にとれば、言葉のキャッチボールができなくなるから、そんなこと言わないで、と母を励ましているのだが、後期高齢者老人の実感は、「もう、いいよな」という諦観はほぼ本音だ。「長く生きすぎたなあ」という虚無は、その年齢にならなければ理解不可能かもしれない。『生きる』はガン宣告された市役所職員の最後の生のあがきを描いたものだが、主人公の年齢は50代だろう。この年齢で死刑宣告を受けると、やはり人間は動揺する。そのへんを映画はよく描いている。黒澤映画のテーマであるヒューマニズムあふれる作品だ。そんなこんなで「生きるって何だろう」といろいろ考え込んでしまい、朝から眠い。
映画 [2026/02/25,10:27:24]
朝、新聞を読むのはラ・テ欄から。こで面白そうな番組をチェック、録画するのが日課だ。このところオリンピックで面白い番組はほとんどなかった。今日はBS映画で「昼下がりの情事」がある。これはワイルダーの作品とは知らず、見逃していたもの。よかった、このところ映画はTV放映されるもので十分だ。わざわざアマゾン・プライムだネットフリックスだと騒ぐ必要がない。テレビで放映するような名作で満足できるようになった。つい先日も「ひまわり」や「パピヨン」をテレビで観た。この年になると、いかに名作と言われる映画でも欠陥やアラもちゃんとわかるようになる。ソファー・ローレンのアクの強さには辟易するし、ステーブ・マックインは、この撮影時にアスベストに侵されていたのだろうかとか、冷静にいろんな背景を読みながら、観ることができる年齢である。それにしても「パピヨン」は面白い映画だったが、くどくて長すぎる。年寄りには酷だ。
一羽 [2026/02/24,09:28:26]
白鳥の鳴き声が朝夕うるさい、と書いたばかりだが、どうにも時期的に考えるとヘンだ。いったいこの白鳥たちはどこへ行くために鳴いているのか。朝、鳴き声と同時に外に飛び出し、空を見上げて、驚いた。鳴いていたのは「たった一羽」だけだった。基本的には集団で飛ぶものだと思っていたのだが、白鳥はこのあたりに住み着いた、というか集団から「はぐれたやつ」のようなのだ。その一羽の周りを興味深そうにカラスが冷やかしで飛んでいた。それに対抗するように、白鳥はガアガア鳴いている。そうか、あのうるさいと思った鳴き声は、これだったのか。なんだか哀れで寂しげな声だなあ、と思ったのは間違っていなかった。

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