金融小説
[2025/11/19,10:16:45]
今ひとつ心身とも調子が悪い。夜の読書はなかなか物語が核心に入らない「白鯨」にイライラ。こんな時はスカッとした冒険活劇エンターテイメントでも読みたい。ということで、普段は手に取らない金融情報小説と銘打たれた橘玲『マナーロンダリング』(幻冬舎文庫)を読み始めた。これが面白い。自分のまったく知らない世界に踏み込んでいく快感がある。香港在住のもぐりの金融コンサルタントの日本人が主人公だ。これに脱税指南の日本人顧客が絡んで、マネーをめぐるヤクザや謎の美女、同僚の香港人たちが入り乱れ、物語は進行する。いや主人公は「50億」という金といったほうが正確かもしれない。500ページを超す長編だが一晩で読了してしまった。解説はまだ30代の元大阪国税局総務課長の「玉木雄一郎」という人物が書いている。この解説もなかなか読ませるのだ、えっ玉木雄一郎?!……。この本が書かれたのは2002年、この時点で30代半ばということは年代的に間違いはない。国民民主党の党首が4半世紀前、この驚天動地の金融小説の文庫本解説を書いているのだ。
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