ヤマハゲ [2025/01/13,12:48:15]
秋田市豊岩地区の伝統行事である「ヤマハゲ」を見に行ってきた。本家本元の男鹿のなまはげも観たことがないのに、いきなり超マイナーな「観光客ゼロ」の集落行事というのも問題だが、ま、自分らしいかも。驚いたことはいろいろあるが、本家のなまはげを見ていないので、眉に唾つけて読んでほしい。ヤマハゲには鬼に威厳がある。「沈黙の畏怖」のようなものだ。家々を訪ねても、あいさつ程度しか言葉を発せず、子供のいる家では「ウォー」と2,3度、奇声を発するのみ。信じがたいほど寡黙なのだ。それがまた怖い。コマーシャリズムに毒されていないぶん、装束も質素で重々しい。般若を想起させる着色なしの手彫りの面、八郎潟の「藻」で編んだというモグと呼ばれる髪を被り、藍で染められた分厚い夜着は「夜ぶすま」と呼ばれる。ケラも着けないし、藁沓に素足。雪道ではいかにも寒そうで、まともに見ていられない。男鹿のなまはげのような観光的ユーモアもこけおどしもない。それがいかにも異界から来た妖怪を感じさせる。子供たちは本気で家の中を泣きわめき逃げ回る。鬼たちは家に入り込んでまでえ追い掛け回したりはしない。子供たちが観念して玄関先に出てきたら頭をなでて、あっさり家を出る。雪の闇夜から、こんな寡黙な鬼が出てきたら、大人でもちょっと怖いかもしれない。いいものを見せてもらった。
ニラレバ [2025/01/12,09:59:30]
去年、ニラレバの旨い店を見つけた。世は町中華ブームだが、ふしぎなことに秋田市には数えるほどしか町中華の店がない。町中華のなかではニラレバが一番好きなのだが、うまい店に出合ったことはない。そんな状況だったのだが、去年、エキナカの中華料理屋さんにふらりと入り、ニラレバが安くてうまいことが分かった。駅に行く用事があるたびに食べていたのだが、よく考えればニラレバなんて自分で作れば簡単だ。安いし200円分のレバーがあれば4食は食べられる。牛乳で臭みを取り、小麦粉をまぶし、フライパンでこんがり焼く。あとはニラやもやしと炒めるだけ。調味料は醤油と砂糖と酒。ということで昨日、早速自分で作って食べてみた。エキナカの店に劣らずうまかった。今日の昼もニラレバ定食だ。もう自分の定番「得意」料理に加えてしまいたい気分だが、それはちょっと早いか。
文庫 [2025/01/11,09:37:59]
毎年この時期になると、本の雑誌社が出す『おすすめ文庫王国』という増刊号を買う。そこでリストアップされた、いろんなジャンルの文庫ベストテンから、だいたい2,30冊の本を、エイヤッと、アマゾンでまとめ買いする。書店に行くことが100パーセントないので(本を選ぶ行為が疲れていやなのだ)、文庫はこの雑誌で年頭にまとめ買いをする。単行本はその都度アマゾンなどで買っている。本の雑誌社増刊号を信頼しているのは、書評をする各ジャンルの著者たちの人選がいいからだ。トリッキーで衒学的な人物が少なく、「この人が勧めるなら間違いない」と思わせる書評氏がそろっているからだ。ところが今年はちょっと紙面に異変が生じていた。24年度の出版界の話題はガルシア・マルケス著『百年の孤独』が新潮文庫になったことに独占されていて、それ以外の本(文庫)の話題が色あせてしまった。たった一冊の本の文庫化が、業界の話題をひとり占めしたケースというのは聞いたことがない。私自身は読んでいないが、文庫なら買っておいても損はないと考える読書人も少なくない。
積雪 [2025/01/10,10:37:33]
青森や新潟の豪雪映像がひっきりなしにお茶の間に流されているので、秋田も同じようにとらえられているのかもしれない。いまのところ秋田市内の雪はそれほどひどくはない。内陸部の積雪はまだ把握していないが、大きな被害が出ているというニュースは流れていない。青森と新潟に挟まれているのに「積雪は普通」というのは、逆に不安になる。朝、玄関の雪かきをした。「今日は3回はやらないと」と腹をくくったのだが、午前中で雪はやんでしまった。それでも一寸さきは闇。一晩で50センチの積雪なんてこともある。なんとかこの程度で済んでほしいものだが、そう都合よくはいかない。それが世の常だ。気持ちだけは豪雪シュミレーションをかかさず、その時に備えようと思っている。いい年をして毎日散歩をして山に登っているのは、こうした非常時に「ちゃんと雪かき」ができる体力を維持するためだ。
映画 [2025/01/09,09:53:41]
アメリカ映画『ザ・メニュ―』を見た。アマゾン・プライムで無料、タイトルも面白そうだ。太平洋上の孤島のレストランに閉じ込められた食通たちが、腹にイチモツありそうなカリスマ・シェフによって次々に復讐されていくホラー映画だ。ホラーや殺人系映画はほとんど見ない。とくにホラー映画は大嫌いなのだが、たまたまタイトルに惹かれて「見てしまった」。これがなかなか面白かったのだが、年末から新年にかけて、映画はもっぱら小林聡美主演のものばかり見まくっていた。NHK連続ドラマ「団地のふたり」の影響なのだが、当然、脚本は松本佳奈で、このコンビは間違いがない。昔見た「めがね」や「カモメ食堂」といった映画までもう一度見直してしまったほど。去年見た映画でベストワンは、黒澤明監督の『隠し砦の3悪人』だ。時代劇もいいなあと思って、何本か正月休みに見たのだが、いずれも主演がジャニーズ系のタレント。演技が稚拙で、なかなかストーリーに入っていくことができなかった。時代劇は役者が重要だ。
仏教 [2025/01/08,18:08:50]
今年の初読書は、しんめいP著『自分とか、ないから。』(サンクチュアリ出版)。サブタイトルは「教養としての東洋哲学」だ。発売数か月で10万部以上売れているベストセラーだそうだ。46判360ページの厚い本だが、活字組みは大きくスカスカ、イラストも多く普通本の組み方なら100ページほどで済みそうだ。でも手抜きではない。「自分探し」をする若者に向けて書かれた本なので、まるで絵本のような読みやすい本にしたのだろう。「無我」「空」「道」「禅」「他力」「密教」の6つの章に分けられて、東洋哲学の要人たちも、この本ではまるで漫画の登場人物のように扱われている。荘子は「学校に来たことのない秀才」で、親鸞は「わざとテストでゼロ点を取り退学になる」やつだ。空海は「クラスの中心にいる人気者」で、ブッダにいたっては「教室の端で窓の外を眺めているタイプ」というのだから笑える。この本を面白くしているのは著者の「立ち位置」だ。劣等感丸出しで、自分で自分をいじり、その自身の黒歴史をも包み隠さずネタにして笑い飛ばす。ユーモアとウエットに富んでいて、エンターテインメントに徹しているのだ。執筆のきっかけは「東洋哲学本50冊を読んだら〈本当の自分〉とかどうでもよくなった」という話を書くことだったが、「内容は薄い」と著者自身が断定しているのも、おかしい。個人的にはよくわからなかった「禅」と「密教」についてなど、なるほどそういうことだったのか、と得心が言った記述が多かった。新年早々、いい本と巡り合え、よかった。
仕事始め [2025/01/06,09:22:01]
今日から仕事始め。何のかんの言っても気持ちが引き締まり、「がんばるぞ」というエネルギーが自然に身体に充満してくる。がんばるといっても、何か特別な目標があるわけではない。いつもと同じように淡々と仕事をこなせれば、それで満足だ。仕事がある、というのが大事だ。求められる仕事がある限り、それに応えて仕事をする。それだけのことなのだが、なんだか新年は「特別感」があるからヘンなものだ。今日は青空ののぞく、冬には珍しい、明るい雪国である。こんな日が一日で多いことを祈りたくなるほどだ。今年も、皆様、よろしくお願いいたします。
しめ飾り [2025/01/05,10:36:04]
お正月三が日、毎日散歩に出たのだが、あることに気が付いた。散歩の途中、ほとんどといっていいほど「しめ飾り」を玄関に飾っている家がなかったことだ。これはちょっとびっくり。政府から緊急のお触れでも出たのかと思ったほど、本当に見かけなかった。だから逆に、大きな門松を飾っていた居酒屋チェーンと大企業の秋田支店には違和感さえ覚えたほどだ。こうした縁起ものはもう絶滅危惧種の類なのだろうか。「ここは神聖な場所です。不浄なものは立ち入れません。どうぞ神様いらしてください」というのがしめ飾りの本来の意味なのだろうが、その神様への信頼と依存度は年を追って下がるばかりのようだ。なのに、同じ散歩途中にある三吉神社へは、駐車場が満杯なのが分かっているのに、延々と駐車場待ちの車列が、広面のいわばお正月風土記だ。家族で来ているのだろうが、車内で9割の家族は、駐車場待ちのイライラから、「ケンカはじめ」をしているのが目に見える。ちなみに私は初詣はしないが、小さなしめ飾りを事務所玄関に飾っている。
抵抗感 [2025/01/04,10:05:45]
去年の最も大きな個人的な出来事は「お酒が弱くなったこと」。家での晩酌が楽しみだったのだが、少しずつ「負担」に感じるようになった。できるだけ軽いアルコールでサッと済ませたい。アルコールを重くベタついた飲料に感じてしまうようになった自分にショックを受けてしまった。とりあえず「ノンアル・ビール」に代替し、食事とともに飲みだした。ノンアルは思った以上に抵抗がなく、すんなりと体が受け入れた。体の負担が一挙に軽くなった。もともとビールをほとんど飲まないのだが、ノンアルビールはアルコールのない苦い炭酸水のようで、これが思った以上に新鮮だった。ビール飲みなら、その違いに気が付いてノンアルに違和感を持つのだろうが、こちらはビールそのもののうまさを知らない。それが功を奏したのかもしれない。そんなわけでノンアルを今も飲み続けているのだが、友人たちと会食するときは、いつも通りアルコールを口にする。こちらは何の抵抗もないから不思議だ。
妙見山 [2025/01/03,17:08:44]
今日3日は妙見山初詣登山。妙見山は4年ぶりぐらいかな。当初はFさんと二人きりで行く予定だったが、希望者が増え、最終的には5名まで増えたが、前日キャンセルが相次ぎ、結局は3名で登ることに。登りはゆっくり45分。Fさんは初めてスノーシューを履いたので、慣れるまで少し時間がかかった。初詣を済ませ、帰りは旧大平山スキー場跡をゆっくり降りてきた。旧スキー場からは対面にはオーパス・スキー場が対峙している。オーパスには結構な人数のひとたちが滑っていた。曇りのち晴れ、ときどき小雪という絶好のコンディションのなか、生き物たちの声が絶えた静寂の雪の森を歩くのは本当に楽しかった。夜はFさんとシャチョ―室宴会。すき焼きの新年会だ。昼も事務所でざるそばだったので、山から下りるとずっと料理三昧の一日だった。明日は筋肉痛だろうか。

FREE imgboard v1.22 R5!!