僧侶
[2026/03/19,10:01:09]
檀家が壊滅し「派遣」で葬儀に出かける僧侶の日常を描いた松谷真純『葬式坊主なむなむ日記』は知らないことばかりで、面白い本だった。この著者のお坊さん(もちろん仮名だが)は、東北のある地方都市に住む人なのだが、東京にアパートを借り、そこを「協会」と称し、派遣僧侶を始めている。さらに、それだけでは食べられず、配送会社で宅配の裏バイトまでしているというのだから驚いてしまう。葬式で得る収入の半分は派遣会社にとられてしまう、という現実にもびっくりするが、そうか、こんなにも僧侶の現実は大変なのか。ため息をついてしまった。この本は三五館シンシャの「職業と人生を読むドキュメント日記シリーズ」の一冊だ。このシリーズそのものは「中身が薄い」ものが多く、読むにたえないものも少なくない。何度か面白い書名にだまされて苦い目に遭っているのだが、この本は「僧侶のフトコロ事情」という業界の内部を正直に描いている。2時間ほどもあれば読めてしまう内容だが、書かれている中身が濃いから、十分楽しめた。
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