難敵 [2026/01/25,10:48:13]
スポーツなどではよくあることだが、今の自分のレベルでは、どう考えても無理、という局面がある。それでもチャレンジし続け、その技を会得すると、次のステップアップが可能になる。実は「読書」にも同じような局面がある。この本は古典的な名作だけど自分程度のリテラシーでは読みこなせない。これはある程度本を読んでいれば、すぐにわかるようになる。スポーツと違ってレベルアップを望まなければ、そんな小難しい本は敬遠し、エンタメ小説を楽しめばいいだけの話なのだが、それではいつまでたってもリテラシーは向上しない。後期高齢者になってから、そんなことを考えだし、あえて自分には「難しい」と思う本に挑戦することを心掛けてきた。『魔の山』はそうして読了できたし『白鯨』は残念ながら挫折した。今読んでいるのは去年の話題作、K・W・ジョンソン『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件』(DOJIN文庫)。犯罪ルポの傑作と言われるドキュメンタリーだが、苦手の理系の記述が多く、かつ専門用語に満ちた、ミステリー仕掛けの本だ。著者はフリーランスの、ドキュメンタリーものを手掛ける人のようなので、そこに親近感を持って読み始めた。でも最初の十分の一ほどで頭がこんがらかってきた。でも、やめない。今が苦しさ(?)のピーク、ここを超えればきっとクライマーズ・ハイのような状態がかならずやってくる、と信じて、今夜も寝床で格闘するつもり。
「どくろ杯」 [2026/01/24,10:57:01]
金子光晴『どくろ杯』(中公文庫)を読み始めたら、その独特の文体リズムに乗せられ、最後まで読み通してしまった。昭和3年、夫人の森三千代と上海に渡り、窮乏の中をしぶとく生き延び、満州と支那大陸に戦火のはじまる昭和7年に帰国する。その壮絶な異境放浪記は、金子が33歳の時からはじまる。しかし「どくろ杯」「ねむれ巴里」「西ひがし」という自伝3部作としてその旅紀行が書かれたのは金子が70歳になってからだ。40年もの時間をおいて書かれた青春紀行なのである。「どくろ杯」はその最初の2年間の記録で、まるで下駄ばきで散歩に出るような気軽さで、異国での深刻な窮乏と臨場感ある地獄絵図を、まるで他人事のようにふりかえる。その過去の壮絶な時間を、40年を経てまた生きなおすかのように、のめり込んで創作される、というほうが正確だ。思い出を語るなどという甘ったるさは文中に一度もでてこない。この時期、金子は、生活的にも窮乏のどん底で、妻との関係も深刻な危機、詩人としても行き詰っていた。窮余の一策として、死地に生を求めるような賭けが、この逃避行だったのだ。出発の5年前に関東大震災があり、青春時代の自己形成期に大正時代という自由な思想を呼吸したことも、日本脱出の背景にはある。妻の故郷である長崎から上海までは船で1日半で上陸できた、というのも初めて知った。海外旅行への抵抗はほとんどない。上海からマレー、マレーからヨーロッパへ旅立つところで「どくろ杯」は終わる。さあ、次は「ねむれ巴里」だ。
ノニオ [2026/01/23,09:03:34]
2年ほど前から、朝は「ノニオ」というマウスウオッシュで口をすすいでいる。友人から口臭がする、と注意されたのがきっかけだ。マスクをする機会がコロナ禍以降増えたことも影響しているのだろう。マスクをすると自分の口臭がより意識できるようになる。このノニオは、口腔ケアのために開発されたものだ。うがいするようになって、確かに口臭を意識することが少なくなった。肉やアルコールで腸内発生した臭気ガスは血流にのり肺から放出される。これは歯磨きでは防御出来ない。口腔ケアのためのマウスウオッシュはもう必需品だ。人と会うとき、相手の口臭が気になると、相手への敬意や友情が冷めてしまう経験を何回もしている。自分も相手にそのような思われたことも少なくないはずだ。人と会う機会はめっきり減ったが、やはり口臭防止は最低限のエチッケトだ。
雪下ろし [2026/01/22,09:32:38]
雪は降り続けているが、メディアで報じられているほどでもない。今のところ「まあこんなもんだろう」という程度だが、ここ数日でどうなるかは、わからない。考えてみれば、湯沢市から大学に入るために秋田市に移り住むようになって屋根の雪下ろしをした経験は、たった一度しかない。確か90年代に一度あったきりだ。湯沢時代は、冬になると毎日のように雪下ろしをする家々を見ていた。雪下ろしをしなくてすむ秋田市に「同じ秋田とは思えない」と正直驚いたものだ。大学の掲示板に「雪下ろしアルバイト」なる求人があった時も「雪下ろしがお金になる」という現実に実感が伴わず混乱した。飲料水が店で売られていたときと同じようなショックを覚えたのだ。この程度の雪ならと鷹揚に構えているのは、こうした少年時代の豪雪地帯の記憶が残っているせいだ。子どもにとっても、あの雪下ろしというのは重労働だった。
積雪 [2026/01/21,10:00:11]
痛め止めが効いてるだけかもしれないが、転倒による手首の痛みがようやく薄れた。あとは血圧が下がってくれれば言うことはない。身体の調子がよくないと、考えることがずんずんとネガティブになっていく。後ろ向きになると、汚れた塵芥が体内に降り積もっていく感じがして、気分が悪い。昔はよく旅(外)に出てリフレッシュしたものだが、いまは外に出る気がしない。年のせいにするのは簡単だが、どうもそれだけではないような気がする。原稿を書いたり、調べ物をしたり、本を読んだり、映画を観たり、料理をしたり……そんなもので鬱屈は一時的にうっちゃることができるが、長続きはしない。リフレッシュの一番は散歩だが雪道は転倒のリスクが高く、それもままならない。自由に散歩できないのが、もしかすると鬱屈の最大の理由かも。
ホラー [2026/01/20,09:38:38]
17年にアメリカで制作された映画『ゲット・アウト』を観た。黒人差別を描いたミステリー・ホラー映画で、苦手なジャンルだが、細部にいろんなメタファーが盛り込まれていて実によくできたエンタメ映画だ。細部を見逃すと大筋の意味が分からなくなる。緊張しながら最後まで息をのむように見てしまい疲れてしまった。監督は黒人のようで、アメリカのエリート白人社会では、こんな荒唐無稽なことまで本気で考え実践してしまうのか、とショックも受けた。まあ今のトランプ政権をみると、これもありだろうなあ、と納得してしまうのだが。それにしてもこのホラー映画、いろんな「裏」が仕込まれている。催眠術の道具である「紅茶」や、暗示を防ぐための耳栓が「綿」だったりするのは、よく考えれば、みんな黒人が奴隷として連れてこられた原因である営農作物が源だ。さらに深読みすれば「能力の高い黒人」という人種の逆讃歌にもなっている。黒人差別の映画では『グリーンブック』が有名だが、この作品もそれに並ぶインパクトのある映画だった。
軍門に下る [2026/01/19,10:24:21]
ついに医師の軍門に下り、降圧剤を服むことになった。人間ドックから3日後の今日、近所のかかりつけ医に相談して、決断した。処方されたのはアムロジピン2.5mgという薬だ。実は今日も病院入り口前で転倒した。アイスバーンになっていたのに気が付かなかったのだが、こうも転びやすくなっている自分が不甲斐なく、落ち込んでしまった。その精神的なダメージも加わり、先生の言うことを聞くことにしたのだ。1か月後に採血して薬の効果を確認することになった。先日の人間ドッグで高血圧の原因が肥満と関係があるといわれ、この2年で4キロも体重が増えている事実を突きつけられた。うなだれるしかない。あきらめずにダイエットを続けるしかない。
新聞 [2026/01/18,10:40:59]
新聞はかならず「ラ・テ欄」から読む。ここに一番、時間をかけているといってもいいほどだ。あまりテレビを観たくないから良質なドキュメンタリーや映画、好きな番組だけは録画しておくためだ。もうほとんど見たい番組は決まっているから「見逃す」ことはないのだが、ときたまへまをやる(番組名に惑わされて)。ものすごいく見たかった番組をノーマークにしてしまうのだ。まあそうしたものはたいてい再放送される。ラ・テ欄をチェックした新聞はその後、役立ちそうな記事を切り抜き、その日の食事(ランチ)のテーブル用下敷きになって捨てられる。事務所で料理するときも床からテーブルから新聞紙で埋めてから、料理を始めるのがマイルールだ。こんなふうに毎日役に立っているから新聞購読料を高いと思ったことはない。逆に新聞がなくなったら困ることばかりだ。
「春霞」 [2026/01/18,10:16:53]
今日の毎日新聞県版に日本酒の記事が載っていた。美郷町にある栗林酒造店を取材したものだが、秋田の日本酒はうまい、といった定番の提灯記事ではない。作り手側の酒に対する真摯な向き合い方が伝わってくる、中身の濃い、よく調べて書かれた記事だ。「町の風味を宿した酒を造ることが社会に対する私の貢献」という酒蔵代表者の言葉も、実直で好感が持てる。この酒蔵の「春霞」は、実は私も好きな酒だ。これ見よがしの「個性」がない。要するに出しゃばらない、派手さのない酒なのだ。この町には上水道がない。地下水が豊富だからだ。ミネラル分が少ない軟水なので、発酵はゆっくり進む。大きなタンクは上下左右で温度が違い、発酵のムラができる。そこで酒造りをすべてサイズダウンした。搾りたての酒は理屈抜きにおいしい。なのに大きなタンクに貯蔵すると、出荷するころには新酒とまったく違う味になってしまう。新酒らしいおいしさを保ちながら出荷するにはダウンサイズしかない。なんだか無性に春霞が飲みたくなってしまった。
ドッグ [2026/01/16,12:34:45]
今日は年1回の人間ドッグ。一番の心配は血圧だったが、やはり懸念通り150台。医師からも降圧剤を飲むよう指導を受ける。2日後に近所のかかりつけ医に、このドッグの結果を報告に行き、診察を受ける予定だ。なんだかいいことは一つもないなあ今年は。血圧同様、もう何度も指摘されている「肥満」もバツ。体重を落とし、塩分を控え、毎日血圧を測ること、というのが医師の診察結果だ。もう逃げ場がなくなった。おとなしく診察に従って降圧剤を飲むほかはなさそうだ。血圧が高くなったのは、この2年ほど。薄々、その原因にも気が付いているのだが、そう簡単に元に戻れそうにない。薬の力を借りるのは本意ではないし、デメリットも気になるが、もうしょうがないか。負けを認めなくては。

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