モノクロ
[2025/04/30,10:41:22]
録画していた映画を見る。成瀬巳喜男監督の『山の音』とビリー・ワイルダー監督『昼下がりの情事だ。ふつうにテレビ放映されたものを録画したものだが、どちらも1950年代に撮られたモノクロ映画だ。基本的に映画はモノクロ映画、というぐらいモノクロが好きなのだ。「山の音」は川端康成原作で、この時点であまり期待はしていなかった。ユーモアがないのがつ致命的だし、主演の原節子が、いつものように何の映画に出ても同じ表情、演技なので、すべてが予定調和、広がりのない映像になってしまう。「昼下がり」はもう3度目ぐらいだが、昔見たストーリーを忘れているので、何度見ても面白い。ワイルダーは「寅さん」の山田洋次だ。何度見ても面白い。自分が生まれたころ、あるいは10代につくられた映画を見ることは、記憶のないその時代をしのぶ「よすが」になる。ああ、こんな時代に自分は秋田の片隅に生をうけたのか、という思いで見るモノクロ画面は、それだけで親近感がある。
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